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中小企業金融イノベーション!

皆さん、おはようございます!
11月に入り今年最後のウエーブではないですが、月の半分は出張、週末はイベントやら研修、残りは東京での仕事で、一日も自分のプライベートタイムがないスケジュールとなってしまってます。年齢的にも体力の衰えが気になりますが、気力で乗り切りたいと思います。



コロナ禍により傷んだ事業を再構築させる必要からか、後継者のいない中小企業を安定的に承継する必要からか、それとも海外諸国に比べて少ないスタートアップ企業を増やす必要からか、中小企業に対する金融機関の融資に不可欠とされてきた経営者による個人保証や不動産担保という日本固有の悪しき慣習に、政府、管轄行政庁のメスが大胆にも入る気配です。


行政による指針や業界団体の自主目標にとされてきた実効性の薄かった「事業性評価融資」についても、確かに政府系金融機関である政策金融公庫および一部の心ある金融機関では、中小経営者が融資対象となる会計単位と個人生計を明確に分別した経理が行われ、会計士等により確認されていることを条件として、無保証無担保で融資を行うに留まっていました。


それが、ここに来て急に行政指導により2023年度より経営者の個人保証、および不動産担保を取らないようにするスタンスであるばかりか、新たな立法により将来の事業から生じるキャッシュフローや事業のノウハウなどの無形資産などを包括的資産として担保権設定を認める仮)事業成長担保権なる制度が来春の国会会期中に審議される見通しとなってます。


ようやく我が国の中小企業金融における旧態依然とした慣習が変革する兆しが見えて来た感じがしています。確かに戦後復興の中での金融機関は担保主義を貫き通しながら、恒常的なインフレ経済において収まることのない強い資金需要に応えるためには、行政指導も相まって自らの融資リスクを回避しながら安定的に資本市場に資金を供給する必要がありました。


その戦後金融体制が大蔵省による護送船団方式として成功したかに見えたのはバブル経済が崩壊する前迄であり、バブル経済崩壊によって金融機関の脆弱さが一気に露見して再編の嵐が吹き荒れてたことは記憶に新しいと思います。しかし、地域金融機関に至っては殿様商売を続けてきたが為に、今になってようやく崖っぷちに立たされている羽目となっています。


冷静に振り返り考えてみますと、戦後護送船団方式による為に日本の金融機関は、リスクヘッジばかりに目を奪われ、金融機関本来の事業を見極めて融資を行うという目利き力が育って来なかったのではないでしょうか。だから、いま頃になって融資先が減少し預金残高の運用先がないことから債券等で運用するという事態に陥っているのは構造的な問題でしょう。


ただし、思いますのは今から事業性評価融資、無担保無保証融資、事業成長担保権といった政策的な対策を行っても、金融機関に事業の目利き力が出来る人財を育てて来なかった長年のツケが溜まっていますので、どれだけ実効性があるのか疑問が残ります。しかし、この日本の金融機関の中小企業に対する有担保有保証という融資姿勢は根深い問題だと思います。


慣習とは恐ろしいもので、それが当たり前だと考えることが常識であると誰しもが思ってきたことが不思議に思われます。それが、スタートアップ企業が増えない原因であるばかりか
、中小経営者にも精神的に委縮させていることを考えますと、それが現在の日本の経済に至らしめた理由であることは明らかでしょう。これからその負の部分が顕在化するでしょう。


今日もありがとうござます!
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