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非営利株式会社!

皆さん、おはようございます!
若い頃、この季節になると愛車にスタッドレスを履き換え、初滑りを楽しみに待っていたものですが、現在では愛車も軽自動車に変わっています。この20年間位履き替える必要のなかったスタッドレスを新調しました。今年は雪が多そうなので安全を考慮してのことです。



万国共通、株式会社の所有者は株主であることが定石となっています。株式会社という文明の利器がこの社会にお目見えしたのは、産業革命により蒸気機関を利用した巨大な生産設備を所有することにより、規模の経済を追求し商品を大量に生産することが経済合理性に叶っていると考えられ、企業が巨額の資金調達の必要に迫られたときと時期を同じくしてます。


それによって、投資家なる立場(=株主)の人々が出現するようになり、資本市場が発達してきたことは既にご存知のことでしょう。それから約200年余りの歳月が経過し、実物経済の成長軌道が過去のものとなり、次なるイノベーションの見通しが立たない中で、余剰となった資金が行き場を失い、世界中の資本市場を利鞘を求めて駆け巡る状況に至ってます。


株式市場に公開する企業においては、物言う株主や短期的な利鞘を享受しようとする株主によって企業価値経営を強いられており、目先の利益を追い求め始めたことから長期的な視点で投資する企業本来の目的を見失わせる結果となっています。その様に資本市場が必要以上のパワーを持ち猛威を振っていることに、難色を示す事業家が増えている現実があります。


最近は営利組織である株式会社の中に「非営利」株式会社とする企業も増えてます。法律上
、株式会社は営利組織であることが謳われていますが、企業を発起する際に定める企業の憲法である定款に非営利と記載することは、違法ではありません。株式会社を非営利化することによって株式公開は出来ませんが、公益性を重視した事業展開を果たすことが出来ます。


非営利型株式会社とは、会社の収益活動によって発生した利益のうち、法定準備金や任意積立金などの内部留保を除いた配当可能な剰余金の全額を、社会的留保となる社会貢献積立金として積み立てる株式会社をいいます。例えば非営利株式会社は、日本の総合型地域スポーツクラブや地域コミュニティーに最適なガバナンス(=企業統治)体制と言えるでしょう。


副業や兼業の解禁とともに、地域への関わりの機会を増やすには極めて有益な制度であると考えられ、一般企業に勤めながら非営利株式会社で副業、兼業を行うことで、地域への労働力の流入と発展を期待することができると考えられているのは、その公益性たる所以です。これからの時代に、公益と私益の中間にある希薄となった共益性の追求にうって付けです。


海外に目を向ければ公益性を追求するシュイナード氏率いるパタゴニアが有名です。海外では法律で公益性を重視する経営をするためのベネフィット・コーポレーションという法人格が認められています。「地球が唯一の株主」と宣言するパタゴニアは、ベネフィット・コーポレーションから更に公益性を追求するために、新たなガバナンス体制に移行しています。


パタゴニアの発行済全株式のうち98%を慈善活動を行う非営利団体に寄付し、残る2%を経営指針や経営幹部選出および監督するために信託化しています。ここまで徹底できるのは経営思想以外のなにものでもありません。企業としてなにを目指しているのかは創業経営者の事業のあるべき姿を追求する強い意志を社会に訴えかけて行くことではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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