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八十二銀行と長野銀行の経営統合!

皆さん、おはようございます!
もう20数年以上も遠ざかっていた不動産ビジネスですが、これから本格的な社会の変革期を迎えることを想定しますと、根源的生産要素である土地についてこれまでの概念に捉われることのない、新たな感性消費社会に相応しいビジネスチャンスが到来する予感がします。



同じ地域内における地方銀行の再編を巡っては、2021年10月に福井県が地盤の福井銀行が福邦銀行を子会社化したのに続き、青森銀行とみちのく銀行が経営統合を経て2024年の合併を明らかにしてます。それだけに留まらず2022年10月には愛知県が地盤の愛知銀行と中京銀行が経営統合しており、地盤を同一にする地方銀行の再編が加速してます。


そして今般、長野県を地盤とする八十二銀行と長野銀行が2023年6月をめどに経営統合に向けて基本合意したことを明らかにしています。具体的には長野銀行が八十二銀行の完全子会社になった後、おおよそ2年後をめどに両行は合併する方針であることも視野に入れてのことです。いよいよ地方銀行同士の経営統合による再編劇が緒につきはじめた感じです。


深刻化する人口減少や長引く超低金利環境下による預貸率(=預金を融資に振り向けた割合
)の悪化、外国有価証券の運用リスクの三重苦が地方銀行の導火線に火を付けてます。日本銀行のマイナス金利政策の副作用で預貸金利ザヤは著しく低下し、本業である融資業務で収益を稼げない状況が続いており、銀行の貸借対照表の自己資本比率を大きく毀損してます。


企業への融資金に回せない預金は市場で運用し、有価証券の運用で収益を稼いでいましたが
、米金利の上昇などにより市場が混乱しており、外国有価証券の運用も証券価格の下落により苦戦を強いられており、全国99の地方銀行のうち含み損を抱えた地方銀行が実に4割強の全国44行に達してしまっています。その様な状況では事業の存続すら危うくなります。


今般の長野県を地盤とする八十二銀行と長野銀行の経営統合においては、長野銀行が含み損を抱えた地方銀行であることから、八十二銀行による救済的な経営統合と見るのが自然でしょう。その様な見方に対し、経営統合の話しを持ちかけた八十二銀行は救済的な考えを一切持っておらず、むしろ人的資源を活かすことを考えての話しであることを協調しています。


長野銀行と八十二銀行では、連結ベースの総資産で八十二銀行が長野銀行の10倍以上の経営規模格差が歴然としてます。また、長野銀行は、外国有価証券の運用で本年6月時点で約47億円もの含み損(=本年3月末時点で約2億円の含み益)を抱え込んでしまっています
。実に約3500億円ものその他有価証券の1.4%もの割合に相当することになります。


業績を踏まえても長野銀行の存続は難しいと言わざるを得ません。地方銀行として直面している新型コロナウイルス禍で苦境にあえぐ事業者や後継者のいない事業者への事業承継による対応、脱炭素化といった社会課題が山積しているにも拘わらず、自助努力で経営基盤を強化しながら本業に捉われない新しいビジネスを創出していく必要に迫られているからです。


一方の八十二銀行にとっても、長野銀行を救済するからといって安閑としている状況ではないでしょう。そうでなくとも地方銀行の中でも保守的な企業体質を持っており、新しい地域内の法人顧客を支援するビジネスモデルが未だ見えてきていません。先日、八十二銀行が再生可能エネルギーの開発運営事業に参入することを明らかにしていることが彷彿されます。


今日もありがとうございます!
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