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木造ビルの効用!

皆さん、おはようございます!
生産3要素といえば一般的に土地、労働力、資本があげられます。歴史を紐解けば自然界の大地と人間の相互作用によって資本財が育まれてきたことに浪漫を感じてしまいます。先行き不透明な時代において、改めて原点に立ち返り土地と労働力に着目しても良いでしょう。



一般的に再開発といいますと、容積率を緩和した土地の条件として公開空地(=人々が自由に往来できるオープンスペース)を設けることが必要であり、今日では見るのも綺麗な一面ガラス張りファサードを持つ超高層鉄骨造のオフィスを建設することがあたり前の様になっています。朝陽や夕陽に煌めく摩天楼の超高層オフィスビル群は見た目に洗練されてます。


この機能美や効率性を兼ね備えた建物は近代建築の象徴だと思いますが、果たしてこれからもその様な建物が人々に望まれるのか、些か疑問を持たざるを得ません。SDGsなど環境面を配慮する立場からは、建設部材の製造過程で発生する二酸化炭素(=CO2)排出量を問題視する人もいます。確かにガラス張の外壁は熱効率も悪く運営コストも悪いようです。


それだけでなく、外界と壁で密閉された人工空間で過ごす人々にとって、外から見える煌びやかさとは異なり居心地の良いものではなく、精神的な負担も大きくなるとも言われています。時代の象徴としての機能美の追求はもはやピークを越えており、むしろ人間的な心のつながりを演出する歴史や文化の香りのする界隈性に人々は魅かれ始めている様に思えます。


人間の居心地の良さとは、そんなに科学的な機能美だけではどこか素の人間に疲れをもたらすものであり、雑然とした温もりの中に心の安らぎを覚えるのではないかと思います。人間の心の拠り所は、歴史的に見ても一本調子に機能性を追求するだけではなく、ファジーな曖昧性との間を行きつ戻りつしながら繰り返されていることは歴史を振り返れば明らかです。


だからという訳ではありませんが、最近、高層ビルを木造で建てようとする動きが見て取れます。丸井グループは渋谷丸井を木造商業施設に建て替えることを発表してます。建て替え後の新店舗は構造の約6割に木材を使用した地下2階、地上9階建の建物であり、2026年の開業を目指しています。木はコンクリートや鉄骨とは異なり人間に安らぎを与えます。


丸井では、鉄骨で建て替える場合と比べて約2000トンのCO2排出量を削減できることを強調し、テナントにはサステナビリティ(=持続可能性)を意識した企業を誘致することとしています。現時点では、未だ人間の心的な心地を改善するだけでは、高い木造ビルの建設費を説明するだけの理由に乏しいことから、持続可能性に焦点を充てているのでしょう。


一方、大林組はオーストラリアシドニーで地元建設会社のビルト社と共同企業体(=JV)を結成して、目次と他の構造部材を組み合わせた木造ハイブリッド構造のビルの施工を現地不動産大手のデクサス社から受注し、2026年に竣工させる計画です。シドニー中央駅周辺の先端産業の集積地「テック・セントラル」で計画中の地域再開発の核となる施設です。


地下から7階が鉄筋コンクリート造、7階から39階までが木造と鉄骨造のハイブリッド構造(=CLT=直交集成板でコンクリートを被覆)です。ここでもやはりCO2排出量を通常の半分以下に抑え、竣工後も100%再生可能エネルギーで運営することを強調しています。人間に優しい木造を使用することで創造力が高まるそんな効果も期待できるでしょう。


今日もありがとうございます!
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