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「やきとり大吉」のM&A!

皆さん、おはようございます!
「未来会計」という言葉の響きに、従来の過去の経営成績や財政状態を開示する「財務会計
」とは異なった躍動を感じます。もちろん企業の業績を理解することも大切ですが、私たちが知りたいのは企業が将来に向けてどの様になっていくかということではないでしょうか。



鳥貴族ホールディングス(=HD)は、サントリーホールディングスの子会社で「やきとり大吉」を展開するダイキチシステムを買収すると発表しています。買収額は非公開のため分かりませんが、やきとり大吉は住宅街などでの店舗展開が中心で中高年の利用が多い一方、「鳥貴族」は繁華街が中心で若年層が多く、買収による補完効果が大きいと判断してます。


ダイキチシステムは、1997年設立でサントリーホールディングスの100%子会社です
。2021年12月期は売上高5億4200万円で営業利益は9700万円です。やきとり大吉を全国で500店超展開しており、全ての店舗がフランチャイズ店です。確か自宅周辺のみならず地方の住宅街に行っても真っ赤な看板に「大吉」の大きな字が目立つ店舗です。


最初の頃は個人経営で多店舗展開している安い焼き鳥の居酒屋というイメージしかなかったのですが、地方に行きましても繁華街ではなく郊外の住宅地に店舗を構えているので、ただならぬ焼き鳥居酒屋として気に留めていました。店舗の内装も古びた焼き鳥屋という感じであり、どうひいき目に見ても繁盛しているとは思えない休日にふらっと立ち寄る店舗です。


ニッチなマーケットでも利益が出るよう低コストで運営していることが見て取る様に理解できます。きっとご存知の方も多いのではないでしょうか。そんな「やきとり大吉」をサントリーホールディングスが経営してたとは、思わず目から鱗が落ちてしまいます。きっとコンセプトとは、住宅街のファミリー層に気軽にビールを飲んで貰う広告塔だったのでしょう。


本当は全国500店舗に留まらず、もっと出店可能地域があると踏んでいたのではないでしょうか。フランチャイズ展開ですので、サントリーの酒類および焼き鳥をはじめとする食材を業務委託先である食材業者から一括で仕入れ、各フランチャイジーへ外注先の物流網を通じて配送すれば、現店舗の20倍程度の店舗展開が出来るものと計画していたのでしょう。


きっとサントリーホールディングスが今回ダイキチシステムの経営権を手放すことにした理由として、経営資源の集中と選択を大義名分に伸び悩む店舗数に見切りを付けたものと推測します。それにも増して急激な円安や物流業界の逼迫を背景に物価が上昇していることから食材の仕入コストが増加傾向があることも将来的な懸念材料として持っていたと思います。


それから単店あたり売上が思ったほどに伸び悩んでいたことも背景としてあると思います。ダイキチシステム自体の業績はフランチャイズビジネスのせいか約20%近い営業利益率を叩きだしていますので立派だと思います。流石、サントリーホールディングスが経営しているだけあって、フランチャイズビジネスとしてのシステムを確立していたものと思います。


鳥貴族HDは、関西、関東、東海を中心に約600店舗を展開しており、その顧客層は20~30代が中心となっています。やきとり大吉の方は住宅街立地であり40~60代の顧客層を中心とすることから、両者の相乗効果を期待できると思います。一番メリットを追求できるのが食材調達におけるボリュームディスカウントを享受することではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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