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複合経営!

皆さん、おはようございます!
最近、素材生産や二次加工の中小企業がこれまでの事業領域から抜け出し、自ら完成品の生産販売を手掛ける事例が増えている様に見受けます。積年のコスト削減圧力により事業が成り立ち難い従来の産業構造から脱却し、付加価値を享受しようとする考えは自然でしょう。



複合(=コングロマリット)経営は、それぞれ異なる事業ごとの業績が見えずらいことから
、なにかと投資家から敬遠されがちだと思います。複合事業を営む企業グループの株価が、個々の事業の経済価値の単純合計を下回ってしまう状態をコングロマリット・ディスカウントといい、各々の事業のシナジー効果が発揮されていないことなども理由とされています。


最近、不祥事を起こした東芝が上場維持し続けることを断念し投資ファンドからの出資を受けることが取り沙汰されています。当然にファンドの管理下に置かれますと買収した時の価格よりも高い価格で売り抜けなければいけませんので、東芝の様なコングロマリット・ディスカウントが顕在化している企業では、各事業を独り立ちさせるという手法が取られます。


ファンドの投資下に置かれる迄なくとも日立グループは、これまでグループの中核企業といわれてきた日立化成や日立建機などこれからの事業戦略において必ずしも中核事業となり得ない関係会社について、経営資源の集中と選択の観点からものの見事にM&Aにより売却を進め切り、そこで換金した資金をIT企業の買収などの戦略的な投資へと振り向けてます。


それではコングロマリット経営は、グループの経営戦略として成り立たないのかといいますとその様なことはないようです。例えば、高級ブランド世界最大手、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの業績を見ますと好調の快進撃を続けています。服飾からワインまで多様なブランドを擁しながら、事業間のバランスを取る複合経営のノウハウが功を奏してます。


LVMHの2022年1~6月期売上高は前年同期比26%増の367億2900万ユーロ
(=約5兆円)、純利益は23%増の65億3200万ユーロと市場予想を大きく上回っています。ブランド商品は大々的な広告宣伝費を投下し需要喚起した上で、値上げを行うのが基本戦略となっています。LVHMも2022年上期に3~7%の値上げを実施してます。


服飾の「ルイ・ヴィトン」を中核に「ディオール」、ワインの「モエ・エ・シャンドン」、宝飾品の「ブルガリ」など、75のブランドを擁する企業グループです。ブランドを買収し自社の経営戦略である売上高営業利益率を28%まで高めてきた実績を誇ります。異なる事業ポートフォリオを描くブランドを組み合わせ相互に補完させる財務戦略の為せる技です。


それでは、ブランド戦略により広く世界に知り渡らなければコングロマリット経営は成り立たないかといえば、そんなことはないと思います。例えば身近なコングロマリット経営を常套手段とする業種としてディベロッパーがあります。ディベロッパーといいますと不動産を商品として販売することを生業としている様に見えますが、様々な運営事業を営んでます。


地域に根を下ろして、その上で生活に必要な多様なサービス事業を運営していますが、その地域住民からの信頼感が揺るぎないブランド力になっています。その好例として挙げるなら千葉県佐倉市にあります山万というディベロッパーが開発運営する「ユーカリが丘」だと思います。コングロマリット経営は「まち経営」という観点からも有効な手段だと思います。


今日もありがとうござます!
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