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中小企業への融資専門ファンド!

皆さん、おはようございます!
久しぶりに腰を落ち着け書類作成に勤しみ気分転換になりました。もともと金融機関に在籍していたことがあるせいか、ドキュメンテーションは苦になりません。だれに教わったわけでもないのですが、若い頃よく取引先金融機関から一目を置いて頂いたことがあります。



国内投資ファンドのキーストーン・パートナースは、中小企業への融資を専門とするファンドを最大500億円もの金額で設立するそうです。一般融資よりも返済順位の低い劣後ローンなどを出すほか、経営への助言や人材紹介で収益改善を後押しするそうです。新型コロナウイルス危機対応融資の返済が進む中、再生支援ニーズが高まるとの考えからの参入です。


新ファンドは7月に運用を開始し、企業の融資に特化したファンド(=プライベート・デット・ファンド)では国内有数の規模になるようです。資金の出し手は国内の年金基金や保険会社、地域金融機関などで、2023年6月末の調達完了を目指します。ファンドといえば
、一般的にエクイティ投資が多い中で、融資しかも劣後ローンというところに魅かれます。


投資対象は、財務が一時的に傷んでいるなどの理由から、取引金融機関が追加の資金を融資し難い中小企業であり、必要に応じて出資を検討するとしています。スタートアップや再生可能エネルギー施設などの実物資産にも資金を出す計画です。そればかりか、キーストーン・パートナースは、ラーメン屋といわれるような企業にも投資をしているので驚きます。


キーストーンは2009年に設立した、元三和銀行系の面々が役員に名を連ねる企業です。今般の新ファンドは5本目であり、4号ファンドまでの累計調達額は約870億円といいますから、結構、大型のファンドを運営していることになります。2020年にSBIホールディングスとの資本提携を結んでおり、発行済み株式の3割を同グループに渡しています。


きっと投資案件探しに、地銀大連合構想を打ち上げるSBIグループの協力も得ることでしょう。このキーストーン・パートナースは、金融機関が手を出し難いミドルリスク・ミドルリターンの面白い市場領域に取り組んでいると思います。これからコロナ危機対応融資の返済が出来ない中小企業が増えることが見込まれる中で、社会的な意義も大きいと思います。


ただし、ファンド資金の多くに年金基金や保険会社、金融機関が名を連ねていますので、政策的な動きを纏ったファンドだと推測されます。それでも、これからの日本経済の先行きを考えますと、大手企業によるイノベーションばかりでなく、日本の企業数の99%を占める中小企業の事業を再構築していかなければ、日本の経済は立ち行かなくなってしまいます。


その意味では、今般のキーストーン・パートナースによる劣後ローン型融資のみならず、もっと多くの多種多様なファンドをアレンジしていく必要があるでしょう。金融機関に中小企業の事業再生や事業再構築のノウハウに欠け積極的になれないなら、そうでなくとも運用難で困っている余剰資金を間接的にファンドを介して中小企業に還流させることも出来ます。


必要なのは、中小企業の財務面にばかり焦点をあてた再生支援ばかりでなく、来るべき社会に必要とされるビジネスモデルを描き、事業構造を転換していくことです。その様なノウハウや目利き力を持つ人財はそんなに多くはないでしょう。そして、その様な人財がファンドと協業することが出来れば、もっと多様な数多い中小企業を蘇らせることが可能でしょう。


今日もありがとうございます!
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