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投資事業とはなにか!

皆さん、おはようございます!
昨晩、流通企業に勤める方とお会いしました。1ヶ月程前にキャンプをご一緒させて頂いたことがご縁となっています。流通の現場できっと20年近く店舗経営を切り盛りされてきているのでしょう。その暗黙知にまで落し込まれた経験が私には無いものとして映りました。



先日のブログでも記載させて頂きましたが、オリックスが投資する会計システムの弥生会計を米大手投資ファンドのKKRに2400億円もの金額で売却します。オリックスの弥生会計取得額が800億円ですから、実に投資期間7年もの間に3倍にも株価が上昇したことになります。年率換算で約20%弱の利回りを享受できた訳ですから良い投資だと思います。


オリックスが弥生会計を買収した目論見は、祖業のリース事業で蓄積した幅広い顧客層に弥生の会計システムを導入して貰うことによりシナジー効果(=相互補完効果)が期待でき、弥生会計の株価を伸ばすことだったと思います。しかし、その目論見は大きく期待が外れ、オリックスの顧客に弥生会計を導入し拡販することは失敗に終えたように伝えられてます。


弥生会計の株価が上がった背景としては、むしろクラウド経由で会計ソフトを提供するSaaS(=ソフトウエア・アズ・ア・サービス)市場への高い成長期待があるからなのです。オリックスにとっては、当初目論見は達成できなかったものの、想定していなかったKKRによる弥生会計の買収価額提示に迷わず投資利益を確定したかったのではないでしょうか。


KKRは弥生会計の事業の中でも、インターネットを経由でソフトを利用してもらうクラウド型サービスを高く評価しているようです。企業の間では、ソフトウエアをパソコンにインストールして利用する従来のデスクトップ型から、クラウド型に切り替える動きが広がってます。導入コストが安く、最新版に自動更新するなど使い勝手が良いことが上げられます。


ソフト会社にしても、顧客に一度契約して貰えば継続利用を期待しやすく、機能拡充なども容易に提案できます。半面、一度他社に顧客を奪われると奪い返すのが難しいという現実もあります。実際に様々な企業の会計ソフトを使用して感じるのは、確かに弥生会計は汎用性が高く使いやすいのですが、クラウド版は未だまだ改良の余地があると受け止めています。


もっと改良しながら使い勝手を良くしていく事は、それら汎用会計ソフトを使用する中小企業にとっての業務効率化のためにも社会的な意義が高いということができるでしょう。買収される側の事業会社は、お客様をはじめとする利害関係者にとって最大の価値を享受すべく事業に邁進している訳ですが、その一つに過ぎない投資会社は何をしてくれるのでしょう。


投資会社の目的は、株式投資という仕入を行い、それを高く転売することにより利益を享受することにあります。彼らに社会的な存在意義を問うなら、投資対象である事業会社の資金需要に対して応えること、事業再生ファンドならば事業を再構築するなどの付加価値もあるかもしれませんが、一般的には経営に首を突っ込んでくるモノ言う株主に留まるでしょう。


投資対象の事業会社に対し、どれだけ成長に寄与できるかが問われると思いますが、現状は資本の論理を前提として無機質に判断をする投資屋に過ぎないのではないでしょうか。中小企業へのリース等を祖業とするオリックスは最近では投資事業に軸足を移しつつあるようですが、単に株式ブローカーに徹することなく産業構造改革の様な視点を持つべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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