誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

スーパーとコンビニ!

皆さん、おはようございます!
最近、本当に自ら考える力を持った優秀な若者ほどいまの会社に馴染めず、学校を卒業して就職しても直ぐに辞めてしまう様に感じます。それは資本の論理や経済合理性ばかりが目的化してしまっており、生きていく上での本来の豊かさや幸福を実感できないからでしょう。



私たちにとって身近な存在であるスーパーストアとコンビニエンスストアの市場規模は、それぞれ約11兆円でほぼ均衡しています。ところがそれら市場を支えている企業数では、スーパーは約270社に対しコンビニは大手3社で約9割を占めています。コンビニに比べスーパーの方が競争が厳しいと思いきや、マクロ的に見ると地域毎の棲み分けが進んでます。


最近、話題となった関西スーパーに対するH2OリテーリングとOKストアーによるTOB(=敵対的買収)争奪戦から想像されるスーパー業界のイメージとは随分と異なる様です。
考えてもみれば、元々スーパーは地域性が強く、必ずしも規模の経済を追い求めずとも、地域住民の期待に応えられていれば、それなりの業績を残し事業を継続していけるものです。


悪戯に株式を公開してしまいますと、資本の論理という呪縛から絶えず成長をし続ける必要に迫られ、落伍してしまうと買収のターゲットにされてしまうという憂き目にあうことになります。論より証拠、一企業として全国展開する食品スーパーは存在していません。イオンが展開する最大のマックスバリュなども、国内を約15地域の法人に分けているそうです。


同グループでは、幾度となく集約化を検討したところ、地域毎に異なる食文化、食習慣を尊重すると、中央集権型ではなく地域密着の分散経営に落ち着いた経緯があります。だからという訳ではありませんが、1970年以降強引に地域スーパーを再編してきた時の大手スーパーはことごとく経営破綻に追い込まれてきたことは、歴史が語っていると受け止めます。


そもそも、川一本挟んだだけで味噌や醤油の味や色が異なりますし、水の違いもあります。日本には味噌や醤油のメーカーが各々約1000も存在する地場零細であり、それゆえ地域の人々が慣れ親しんだ味覚や舌の記憶を標準化された工業製品に変えることは難しいのでしょう。それは何も食品だけの世界ではなく、地域に根差した生活用品も数多あるでしょう。


これに対して、街角の酒屋や煙草屋の看板をコンビニの看板に掛け替えてきたコンビニエンスストアは、地域ブロック毎に存在してた地域のコンビニをも再編により統合しつくしてしまい、結果、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンという大手3社による寡占状態をもたらしています。挙句の果て、国内市場が飽和してしまい海外に目を向ける始末です。


人気の売れ筋商品だけを商品回転率を高めて売り続けるコンビニは、標準化した店舗を全国各地に展開しどこの地域に行っても同じ場所の棚に同じ商品が並ぶ同質性が売り物です。そこでは地域性が度外視されており、文字どおりの利便性という住民の期待に応えるだけの存在でしょう。利便性を追求する場として捉えれば脱小売に足を踏み入れることになります。


事業というものは、なにも資本や競争の論理のみで営まれるものではないと思います。その根底にあるのは、株主という利害関係者のみに着目しているからでしょう。これからの事業は、お客様、地域、従業員、取引先といった多様な利害関係者との良好な関係をバランス良く築く必要があります。その結果、地域循環する持続可能な社会を実現できると思います。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する