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新生銀行のこれから!

皆さん、おはようございます!
アートセラピーの本を読むのですが、現代人は物事を左脳で論理的に考える癖ばかりが際立っており、右脳で自分の感情に耳を傾けることが弱まっている様に感じます。もっと内面から滲み出る様な感覚を大切にすることは、持てる力を最大限発揮する為にも必要でしょう。



SBIホールディングスによる新生銀行のTOB(=敵対的買収)も紆余曲折がありましたが、大株主である国の預金保険機構と整理回収機構が買収防衛策に賛成しないことが明らかとなり、計画通りTOBで新生銀行を傘下に収めることであっけない幕引きとなりました。今後は、新生銀行という組織をどう発展させ、社会や株主に貢献していくかが問われます。


新しい新生銀行は、SBIホールディングスの下で、成長の具体的なシナリオを示し、公的資金の返済を確実にしていく段階に移っています。今後問われるのは確かな成長像をつくり上げられるかどうかだと思います。SBIホールディングスは、新生銀行に残る約3500億円の返済には、足元2000円弱に留まる株価を7450円まで高める必要があります。


新生銀行といえば、日本の戦後復興を金融面から支えた名門長信銀の一角である日本長期信用銀行を前身としています。20世紀終盤に我が国を襲ったバブル経済の折に不動産融資に傾注し過ぎて多額の不良債権を抱えてしまい、1998年10月に経営破綻し一時国有化された経緯があります。それから20年余りが経過してしまい、当時の面影すらありません。


それまでの日本長期信用銀行を支えたバンカーたちは離散してしまっており、また20年余りという時間の経過とともに当時を知るバンカーの面影すらなくなっています。護送船団方式の中で3長信銀という役割を司っていた為に、営業の競争力に晒されることなく、シンジケートローンなどのアレンジメントなどホールセールノウハウばかりが際立った銀行です。


その当時のノウハウが多少なりとも今でも残されているなら、それを最大限に活かして行くべきでしょう。今般のSBIホールディングスによる新生銀行のTOBは、同社が目論む大地銀連合の核を為すホールセール銀行として、そのノウハウを資本業務提携先の地方銀行に提供して行くことにあります。その意味では、社会的な存在意義が大きいと受け止めます。


現在の地方銀行の課題は、これまでの形骸化している銀行業務に捉われるがあまり、顧客である中小法人が本当に必要としている事業の再構築に対して適切なアドバイスが出来ていないことにあります。また、個人顧客に対しては、これからの少子高齢化社会における資金運用に関する必要な提案がなされていない為に、資金循環に目詰まりを来していと言えます。


地方銀行は、もっとバンカーとして目利き力を活かしリテール営業に特化して行くべきですが、その際に必要な武器である金融商品のレパートリーを増やして行く必要があります。孤軍奮闘する小規模弱小地方銀行同士が寄り集まった所でその課題を解決できるものではありません。その意味では、SBIグループによる総力を挙げた支援は必要不可欠と考えます。


その中核を担う計画の新生銀行のこれまでの経営陣が描いていた経営戦略は、儲けの多いノンバンク事業に傾注することにありましたが、社会貢献という意味では非常に安易な考えであったと思います。リテールに弱く、そこを強化すべきだということなら、地方銀行連合と連携することにより相乗効果が期待され、新しい金融商品を通して資金を還流すべきです。


今日もありがとうございます!
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