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熊澤酒造株式会社!

皆さん、おはようございます!
人は誰しも生きる上での夢や志を持つことが大事だと思います。日々の喧騒から離れ、落ち着いた状況の中で自らが培ってきた経験知に耳を澄まし、内面から湧き出るほとばしる思いに情熱を傾けることが大切です。事業もその様な自己理念の結果として育まれるものです。



茅ケ崎に明治5年創業の造り酒屋があります。ひたむきに日本酒を造り続けて150年。熊澤酒造は湘南に残された、ただひとつの蔵元です。20年前より敷地内にある土蔵や倉庫を活かして改修し、レストランやベーカリー、生活雑貨の店、獲れたて野菜市場などを展開しており、徐々にその存在が知れ渡るようになり、いまや知る人ぞ知る存在となっています。


彼らは、蔵元を単なる酒造メーカーだとは思っておらず、地域の誇りとなる酒造りはもちろん、人々がそこに集い、酒を酌み交わし、何かを生み出す磁力を持った場所、地域文化の中心地でありたいと考えています。そこに蔵元があることで、人々の暮らしが豊かになり、独特の文化が生まれ、成熟させながら200年後にも受け継がれていくことを願っています。


日本酒製造も、ご多分にもれず多くの造り酒屋が工業化への道を進む中で、なかにはその流れに乗り切れず、旧態依然とした地域の造り酒屋に留まっている醸造所も多く存在しています。いや、寧ろ杜氏による手造りの伝統製法を守べく、あえて科学的標準化された日本酒を提供することに拘り続けたのかもしれません。その道のりは平たんではなかったでしょう。


日本酒というものは、その地域の風土が醸し出す旨みを引き出す所にクラフトとしての地酒の良さがあるものです。その地域の気候の中で育まれた酒米、地下水を用い、杜氏による酵母や熟成期間の微妙な調整により、その地域ならではの地酒が出来るものだと思います。規模の経済を追求する酒造メーカーがその地域性を度外視しているのと一線を画しています。


元々、地酒というものはその地域の生活者の間で嗜まれ、受け入れられてきた固有の文化だと思います。それが、地域内居住地の都市化により地域外からの住民流入が増大の一歩を辿り、地域独特の文化が希薄となっていった歴史は、この茅ヶ崎のみならず全国の地域で起こり得ている、現代文明が惹き起してしまった現代社会の負の部分であると言えるでしょう。


一般的に、地域に根差した伝統商品を活かした経営を行うという理念は素晴らしいものの、それを現実的に事業として成り立たせて行くことは難しいと考えられています。それを凌駕する熊澤酒造の取り組みはとても参考になると思います。日本酒の醸造文化を後世に伝えるべく、地域に根を下ろし失われた圃場を再生し、自ら使用する酒米の育成を行っています。


また、レストランやベーカリーでは、地域で採れた新鮮な野菜や天然酵母のパンに拘り続けており、日本酒の醸造と相まってさながら地域文化を体験させるエリアテーマパークと捉えることが出来るでしょう。そんな地域に魅せられた人々が集まる「場」であり、その場に人々が集うことにより、また新しい文化を育まれます。そんな地域に人々は魅せられます。


標準化された大衆文化に慣らされた消費者は、個性溢れる文化に懐かしさのような憧れを持ち始めています。それは人間に備わった生得的な感覚なんだと思います。熊澤酒造のように事業を通して地域文化を醸成していくことが、これからのローカルビジネスには不可欠だと思います。事業を先鋭化させるばかりでなく、理念に合致する様々な事業を担うべきです。


今日もありがとうございます!
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