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リース会社と地方銀行!

皆さん、おはようございます!
人間は様々な思いを抱くものだと思います。それを言葉で言い表すことが出来ることもあれば、適当な言葉が見つからず中々他者に伝えることのできない思いや考えというものもあります。新しいことを生み出すには、自分の思いや考えを表現する努力が必要なのでしょう。



リコーリースが、歯科用品通販大手のフィード(=横浜市)に出資するそうです。経済活動としては、見逃してしまいそうな一つの事象かもしれません。リコーリース自体、昨年の暮れにみずほファイナンシャルグループの傘下に入るという一大イベントの渦中にあったばかりですが、リースという金融会社としてその事業展開を地方銀行と比較すると面白いです。


リコーリースは、フィードの顧客である歯科医院向けに、自社が手掛ける金融サービスの提供を企図しています。新型コロナウイルスの感染拡大後、オンラインで医師らへの営業活動が広がっており、その分野で実績のある有力企業と組んで新分野を開拓する目的です。フィードは、歯科医院で使う材料や医薬品、医療機器等のネット通販を手掛けている企業です。


リコーリースは、フィードの持ち株会社の株主である投資ファンド、アドバンテッジパートナーズ(=東京都港区)から、発行済み株式の15%を取得する予定です。取得金額は非公表ですが10数億円規模とみられています。フィードの位置する業界も、競合他社との競争が厳しい領域ですが、投資ファンドの下、オンライン営業活動へと舵を切ったのでしょう。


リース会社としても、これまで顧客企業が設備投資をする際に、自社で設備を購入して会計上の資産計上を行わずに費用処理できたことから、リース取引自体に企業側のメリットがありましたが、会計基準の変更によりその妙味が薄れていたところです。現在では、リース資産であっても貸借対照表に計上する必要があり、大手企業との取り引きが減少しています。


その様な状況下、リース会社は単に金融商品としてのリースを提供するのみならず、顧客企業にとって必要なサービスをパッケージで提供する展開を強めています。リースには金融商品と実物製品の販売という両面を持ち合わせた事業の面白みがあります。例えば歯科医院であれば、製品の販売という製品自体への深い専門知識も持ち合わせている必要があります。


更には歯科医院の開業ということになれば、単に医療機材を製品ごとにリース資産として提供することに留まらず、歯科医院開業時の事業計画を提案するなど、事業に対する目利き力をも持ちながらパッケージで開業時に必要な医療機器を納品するサービス力を持つのがリース会社だと思います。その様な専門事業領域を広げて行くのがリース会社の展開方法です。


それに比べ、同じ金融事業を営むはずの地方銀行は、なぜその様な専門事業領域の目利き力を養うことが出来なかったのでしょう。それは、多分に戦後銀行業界の護送船団方式により各銀行のテリトリーが固く守られてきて競争に晒されてこなかったこともあるでしょう。また、営業担当者が担当地域を任されてきたことで専門事業領域を持てないこともあります。


大手メガバンクですと、業界毎に部署が確立していますが、それも本部のみであり支店や法人営業部では、やはり専門事業領域が総花的にならざるを得ません。しかし、銀行として差別化を図っていくためには、銀行毎に強みを持つ専門事業領域を築き上げても良いでしょう。産業構造が過渡期を迎える中で、事業再構築等に強い銀行があっても良いと思います。


今日もありがとうございます!
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