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人工光合成技術!

皆さん、おはようございます!
これまで利益を追求してきた多くの企業が、その存在意義(=パーパス)を見失いつつあるように思います。事業というものは社会やステークホルダーとの関係性の中から、絶えず自ら事業を営む存在意義を問い続けなければなりません。社会が大きく変わり行くからです。



水と二酸化炭素(=CO2)、太陽光を使って水素や化学原料をつくる人工光合成の研究で実用化に向けた成果が相次いでいるようです。植物の様に澱粉を作るのはまだ難しいようですが、前段階の水素の製造では三菱ケミカルなどが大規模実証に成功しています。人工光合成の研究開発で日本は世界の先頭を走っており、実用化に向けた一層の進歩が望まれます。


技術者でもない私がこの人工光合成と出会ったのは、10数年前に人工光合成の重要な原理を発見した東京理科大学名誉教授の藤嶋昭氏の研究成果発表を聞いた時です。その時は、未だ基礎研究の段階であり、技術開発における課題解決にまだまだ時間を要することが素人ながらにも理解できましたが、その技術が持つ社会的インパクトに非常に関心を持ちました。


現代社会は化石燃料を利活用することを前提に、多くの社会システムが維持されている課題を抱えています。そのこと自体、CO2排出の問題やそもそも資源枯渇問題など持続可能社会を実現していくための大きなリスクが付きまとっていると言えるでしょう。人工光合成技術が完成すれば、水と太陽光から水素燃料やプラスチック原料を抽出することが出来ます。


人工光合成とは、植物の光合成を模倣し、太陽光を使い水を水素と酸素に分解、つくった水素とCO2を化学反応させて燃料や化学製品などをつくるものです。この水素は製造過程でCO2を排出しない「グリーン水素」で、化学製品の製造を通じてCO2も直接減らすことが出来ます。光触媒を使う生成方式と電極を使う方式の2つに大別することが出来ます。


電極を使いますと火力発電由来の電気を使って水を分解することになりますので、やはり注目すべきは人工光合成を模倣した光触媒を使った生成ということになります。現段階では光触媒は紫外線しか吸収できず、エネルギー変換効率が日照条件の良い日でも最大0.76%に留まってしますそうです。可視光をも吸収できる光触媒の開発が当面の課題となります。


実現できればエネルギー変換効率が5~10%にまで達することが可能となり、2030年頃に商用化実装が出来るようになるそうです。仮に変換能率10%の光触媒パネルを本州と四国の合計面積に相当する土地に敷き詰めれば、2050年の世界のエネルギー消費量の3分の1を賄う水素をつくれるそうです。先行き不透明な時代に夢のある話だと思います。


太陽光発電の様にパネルを敷き詰めるのは、自然環境を維持する為、景観上からも閉口せざるを得ませんが、仮にこの光触媒を塗料と混ぜて建物、クルマなどに塗布できたらどうでしょう。あらゆる物体をエコな発電設備として化体させることが可能となります。しかも美観を損なわずにエネルギーを自己生成することができ、社会システムを大きく転換できます。


私は技術研究を営みとする立場にありませんが、事業化に向けた仕組みづくりに夢が馳せます。これからの時代は、中央集約から分散する方向へ社会は動いていくでしょう。それを実現する為には、勿論、技術の進歩があって可能となるものです。技術開発と用途開発がともなって初めてイノベーションが実現します。何れも人間がより良く生きるためにあります。


今日もありがとうございます!
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