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脱炭素により変わる産業構造!

皆さん、おはようございます!
登山もサイクリングも、大地を一歩ずつ踏み締めていますと、その過程はとても精神的に根気が要りますが、やがて目的地に到達することで何ともいえない爽快な気分を味わえます。
人生においても、日々の生活の中でさして達成感を得られなくとも、積み重ねが大切です。



ホンダが電気自動車(=EV)への移行を見据えて2000人超の社員を早期退職で減らすというセンセーショナルな現実があります。やがてクルマはEVに置き換わるであろう程度の受け止めであったものが、世界の自動車メーカーの潮流として2030~2040年にはガソリン車の製造を全廃し、EVを主流とする生産体制への胎動が早くも始まっています。


EVシフトでは複雑な加工が必要となるエンジンなどが不要となり、部品数がクルマ1台あたり3万点から1.5万点へと半減することになります。世界の大手自動車メーカーは、これまでクルマの心臓部であるエンジンを自社で開発、生産して自動車に搭載してきましたが
このエンジンが不要となるEVはモーターを外部から調達してくれば済むことになります。


自動車メーカーは、クルマの生産に必要な部品を生産する国内で約2万社あると言われる下請け、孫請けメーカーを束ねて垂直統合型の産業ピラミッドをつくり、利益を囲い込むことで競争力を維持してきました。しかし、EVへの移行によりそのピラミッド体制が逆に死活問題となりますので、早々にそれを是正しておきたいという意識が働き始めているのです。


更には、EVの駆動装置がモーターやインバーターといったエンジンよりも単純な構造に置き換わることにより、異業種からの参入障壁も劇的に下がることになります。モーター専業の日本電産もEV生産に名乗りを上げています。iPhoneなどを受託生産する台湾の世界最大手の鴻海(=ホンハイ)精密工業もEVの受託生産を開始することを決めています。


新規参入組を含む自動車メーカーは、クルマの設計やデザイン、ソフトウエアなどの開発に専念すれば良く、実際のクルマの生産は外部企業に任せれば、わざわざ自社で工場を設置して生産設備を持たなくとも自社ブランドのEVを容易に生産販売できることになります。デジタル家電と同様に、生産は外部企業に任せる水平分業型プラットフォームに移行します。


その暁として自動車メーカーに訪れる激震は、これまでの様にクルマを造って売るビジネスモデルでは稼げなくなることは、家電メーカーを見れば明らかです。お客様にモノを売るのではなく、モノをどう使って貰うか(=コト)の方が重きが置かれるようになり、ネットを介したサービスの拡充による課金型のビジネスモデルへの変革を余儀なくされるでしょう。


EV普及が進み、価格競争が本格化してきますと、自動運転やインターネットを通じた社内での娯楽などのサービス領域に付加価値が移ることを意味します。それは、IT(=情報技術)企業やスタートアップ企業も自動車産業の担い手になり得ることでしょう。大手自動車メーカーは、抜本的変革を迫られることになりますが、巨大な組織機構がそれを阻みます。


日本の製造業出荷額の2割を占める基幹産業である自動車メーカーの没落は、我が国の産業構造を根底から覆すことになるでしょう。それが未来予想ではなく、既に現実的タイムスケジュールとして織り込まれつつあることに留意が必要です。それは当然に雇用に影響を及ぼし、日本型雇用を維持するどころではなく、益々、人財流動化が定着する社会になります。


今日もありがとうございます!
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