理論株価経営!
皆さん、おはようございます!
信念にも似た目標を追い求めつづけ、日々アグレッシッブに行動していくことは爽快です。世の中の動きを見極め、信じた道をひたひたと歩み続けることが性に合っているようです。揺らぐことなく思いつづけるには、自身に向き合いながら少しの微風に流されることです。
思い返せば、今から20年前に大手化学メーカーに勤務してた時、中期3ヶ年経営計画の中で、バブル経済崩壊の傷が癒えない株価を浮上させるべく理論株価なる考え方を持ち出していたことに驚きます。今では多くの上場企業が株主資本価値経営を導入し、理論株価に照らし合わせ中期経営計画を策定していますが、当時はその様な概念すらなかったと思います。
その当時は、連結決算が導入されたばかりであり、未だキャッシュフロー経営や株主資本コストという考えすら経営者は持ち合わせていない時代です。株主資本利益率(=ROE)、総資本利益率(=ROA)、投下資本利益率(=ROIC)という概念を経営会議の場で説明した思い出もあります。きっと当時の経営者は分かる様で分からなかったことでしょう。
簡単に説明すれば、会社や各事業をキャッシュアウトフローとキャッシュインフローの計画数値を株主資本コストと負債コストの加重平均資本コスト(=WACC)で資本還元した数値が理論株価になる訳ですが、それを高めるために事業ポートフォリオなる象限にプロットした各事業のキャッシュインフローを最大化すべく、各々の事業戦略を定めて行きました。
M&Aやアライアンスを活用することで、個別事業を強化もしくは撤退するM&A戦略を定めて会社全体のキャッシュインフローを増やすわけですが、中期3ヶ年経営計画の中では1株あたり300円で低迷していた株価を900円に改善することを目標としています。いま思えば、前例主義を重んじるメーカーの中で、何とも大胆なことをしてものだと思います。
理論株価の目標を打ち立ててからは、社内のM&Aやアライアンスの実行に奔走する訳ですが、これがこれで各事業部門は実行することに意義があるとばかりに、価格に糸目もつけずに買収することばかりが先行してしまいます。それはその筈、事業部門長はM&Aに手を上げたら成約させなければ左遷されてしまいます。こちらはそれを牽制する立場となります。
事業部門長や労働組合からは、目障りな存在であったと思います。こちらも理論株価を達成するために必死です。アセットの中には、有効活用されていない資産が随分と存在しており、それを有効活用もしくは換金すべく個別の事業計画を作成し、実際に社外の事業者と連携しながら実現したりもしました。総務管掌の常務取締役からは随分と睨まれたものです。
まぁ、この様な経験を30歳終盤から40歳前半に手掛けてきた訳ですが、40歳代も半ばでスパッと投げ打ち、中小企業の道に進んでいます。振り返ってみれば今の時代の方が様々な会社で株価経営を生かすことが出来るオーソリティになれたのではないかと思います。しかし、会社や事業というものは、消費者の声に応えてこそ活かされるものだと信じてます。
地域に根を下ろす中小企業に元気になって貰わないと、本当の意味での新しい雇用(=仕事)が生まれず、地域の活力が損なわれ行ってしまいます。そこを何とかしていきたいというのが、私の願いでありこれから手掛けていくことです。会社の経済価値に留まらない、特にヒューマンリソースを源泉とする企業価値を高めて行くことが望まれていると思います。
今日もありがとうございます!
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