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海外シフトするセブン&アイ・ホールディングス!

皆さん、おはようございます!
昨日は久し振りの名古屋日帰り出張で、朝早くから夜遅くまで汗水垂らしながら力仕事に没頭した一日でした。途中、老翁の奥様より手料理をご馳走になってしまいました。質素ではありましたが、その一品一品の素材は今までに味わったことのない本物であり驚きました。



2020年8月に約2兆1千億円を投じたセブン&アイ・ホールディングスの米コンビニエンスストア併設ガソリンスタンド「スピードウェイ」買収が、米連邦取引委員会(=FTC)当局に認められました。FTC一部委員が独占につながる懸念があるとして認可手続きが滞っていましたが、米国の300店舗を売却することを条件として承認されたからです。


セブン&アイが発表した中期経営計画によれば、2026年2月期までに海外のセブンイレブン店舗数を2020年度比3割増やし6万5000店にする方針です。その投資額は1兆円を超え、スピードウェイ買収額と併せると3兆円もの資金を海外市場に投下することになります。米コンビニ事業営業CFがグループ全体に占める割合が5割を超える見通しです。


なぜ、セブン&アイが海外シフトを鮮明にしているかと言いますと、国内コンビニ市場が停滞しているからです。人手不足を背景として24時間営業への批判が強まっている他、昨春以来の新型コロナウイルス感染拡大の影響で顧客離れが進んでいるようです。オフィス街の売上が減り、スーパーマーケットに顧客が流出、売上が初めて前年実績を下回っています。


今年に入り、客足が戻りつつあるようですが、リモートワークの定着でオフィス需要の回復が難しく、少子高齢化で人口減少に拍車がかかることから、国内の市場環境は先細りとなるという判断がなされています。必ずしも海外市場への進出は容易ではないと思いますが、グローバル市場を取り込まないと上場企業として成長し続けることが難しくなると言えます。


セブン&アイの中期経営計画によりますと、2026年2月期にはEBITDA(=利払税引償却前利益)で1兆円超(=2021年2月期は6268億円)、自己資本利益率(=ROE)は10%(=同6.8%)を目指します。現在16ヶ国・地域で展開するコンビニ事業の未出店地域では、現地企業との合弁やM&Aを駆使して出店を加速するとしています。


一方、約2万1000店ある国内コンビニ事業については、出店余地がどう変化するか不透明であるとして出店計画を示していません。代わりに宅配対応での成長を掲げており、現在3都道県に留まっているネットコンビニ対応店を広げ、総合スーパーや百貨店などとの共同配送も強化することで、宅配事業のグループ売上を6000億円にする計画としています。


世界的な流通企業である米ウォルマートの事業展開などと比べてみますと、流通業界がグローバル市場に打って出ること、更に今日においてはネット販売を強化することが常套手段となっており、セブン&アイの戦略に目新しさはないとも言えます。むしろ、遅きに逸しているとも言えるでしょう。株式公開する企業にとっての呪縛に陥っているとも言えそうです。


今の市場環境の中で、企業として成長をし続けていく為には、海外市場に目を向けなければならなくなるのは当たり前かもしれません。確かにマスマーケットを捉えて規模の経済を追求していく為には避けては通れないのかもしれませんが、これからの情報社会において消費者の需要動向が大きく変わり行く中で、木目細かい対応を図ることも忘れてはなりません。


今日もありがとうございます!
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