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スカイマークの資本増強!

皆さん、おはようございます!
今日は出張で朝から名古屋に向かっています。久しぶりの新幹線ですが、朝一番の列車に乗るためには3時には起床する必要があります。夜の予定がなければ21時には就寝し、4時頃には起床する生活に慣れてしまっているので苦にはなりませんが、慌ただしい朝です。



JALやANAに続き、LCC(=ローコストキャリア)の前の世代の航空会社といえば、スカイマーク、AIRDo、ソラシドエアが思い浮かびます。LCCほど徹底したコスト削減による格安航空券を提供している訳ではありませんが、それでも頑なな航空行政に守られてきたJALやANAに比べれば安く、その意味では第二世代の新興航空会社と言えます。


この第二世代航空会社が1990年代後半に産声を上げた時期に、もう一社ジャパンパシフィックエアライン(=東京都)という会社が就航に向けた準備を進めていたのですが、バックボーンとなるスポンサーによる支援を受けられず、また地元行政との関係も築けず、第二世代航空会社としての特色を出せず事業に至らず敢えなく撤退したことが思い返されます。


スカイマークは大手旅行会社HISがスポンサーとなり創業者澤田秀雄氏の肝いりで設立された経緯があります。AIRDoも就航時に必要な資金調達に苦労し、主要スポンサー企業はありませんが北海道庁や道民を味方につけ、北海道内で市民から出資を募り、道民の翼として立ち上がった経緯があります。ソラシドエアも資金調達で難産の末、誕生しています。


これら第二世代航空会社は、昨春からのコロナウイルス禍の影響により、主要客である観光客の利用を奪われ、経営的には相当の打撃を受けているものと思います。押し並べて1便当たり搭乗率が65%以上なければ採算が合わない航空事業において、昨今20~30%にまで搭乗率が低迷しており、JALやANAに比べ弱い経営基盤を直撃していると思います。


今から2ケ月程前には、北海道路線を中心に就航しているAIRDoと九州沖縄路線を中心に就航しているソラシドエアが経営統合することを発表しており、整備や管理などの共通する固定費の削減を目的とした経営改善策を打ち出すことの見返りとして、主要株主であもある日本政策投資銀行他からの追加支援資金を得て、生きながらえることに成功しています。


その陰に隠れていたスカイマークの今後の動向が注目されていましたが、この度、増資などで40億円を調達することになった様です。株主の投資ファンドインテグラルや日本政策投資銀行、そして機体整備などで提携関係にあるANAホールディングスが引き受けます。銀行団も300億円の資金の借り換えに応じることで財務を強化し事業立て直しを急ぎます。


元々、スカイマークは2000年代後半に業績悪化により民事再生法を適用し、公開していた株式の上場を廃止し、インテグラルの支援により経営再建に入った経緯があります。その意味では、第二世代航空会社全てが法的な経営再建を行っていると言えます。そして今回のコロナ禍です。この狭い日本の国土内に、そんなに多くの航空会社が必要なのでしょうか。


戦後からの手厚い航空行政により既得権益を守られてきたJALやANAを牽制する目的で設立された第二世代航空会社なのですが、ある意味ではその役割を全うしたという見方も出来ると思います。JALやANAが傘下のLCC事業を強化している中で、第二世代航空会社は一大統合してお客様にとっての利便性をもっと高めて行く必要があるかもしれません。


今日もありがとうございます!
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