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野村HDのクラウドファンディング!

皆さん、おはようございます!
どんな衰退産業に位置する事業であっても、やり方一つで蘇らせることが出来るものと実感します。それは、業界の慣習やしがらみに甘んじることなく、自ら提供する商品の価値を見つめ直し、事業の仕組みを捉え直すことにより、いかにお客様を味方に付けるかでしょう。



野村ホールディングス(=HD)が、株式投資型クラウドファンディング(=CF)サービスを手掛ける日本クラウドキャピタル(=JCC)と資本業務提携を行っています。野村HDの顧客である未上場企業にJCCのサービスを紹介し、株式投資型CFの活性化を後押しするのが目的です。きっと将来の潜在顧客を囲い込むことも視野に入れているのでしょう。


野村HDが未上場企業にJCCのサービス「ファンディーノ」を紹介し、実際に資金調達に成功すれば報酬を得る仕組みを想定しているようです。いままで未上場企業の領域では、ベンチャーキャピタルであるジャフコが上場を目指すスタートアップ企業への資金供給を司っていましたが、その領域でのニーズは必ずしも上場を目指さない事業主体も存在してます。


例えば、地域のスポーツチーム運営事業などは、地域に密着した住民にとって不可欠なサービスを提供する事業であるのですが、必ずしも株式を上場させ成長していく必要のない事業です。しかし、事業を安定的に継続させて行くためには、自己資本を充実させて行くことが不可欠です。その様な社会貢献事業はCFによって個人投資家の支持を集め易いでしょう。


JCC側には、野村HDと提携することによりブランド力を向上できるというメリットもあります。株式投資型CFの市場規模は、未だ8億2千万円程度ではありますが、前年同期比で1.7倍にも膨らんでいるという調査結果もあります。市場拡大の流れの中で、金融庁も健全に市場を拡大させて行くことを企図し、株式投資型CFの規制緩和を検討しています。


株式投資型CFは非上場株式を発行し、インターネットを通じて多くの個人投資家から少額ずつ資金を集める仕組みです。今まで、独立系のスタートアップ企業がCF事業を担ってきましたが、草創期の市場でCF事業の採算を合わせていくことは各社とも困難を極めており台所事情が厳しいことから、野村HDの様な大手企業による資本参画が必要なのでしょう。


融資型CFになりますが、日本で唯一、金融機関がCF事業を営んでいる事例も存在しています。それはソニー銀行のCFであり、やはり銀行からの融資が難しいが、社会的な意義の高い事業に対しCFを活用し資金提供を行っています。ソニー銀行の既存のお客様を中心に資金募集のPRを行えるというメリットを最大限に活かして徐々に実績を増やしています。


これら市民ファンドにも近い草の根CF事業は、いままでの金融商品の裾野を広げるという意味からも必要不可欠な社会機能として成長を促していく必要があると思います。創業したばかりで銀行等からの融資を受けることが難しいスタートアップや地域に根を張る中小個人事業にも資金が循環して行く仕組みを創っていくことは、社会の要請でもあるでしょう。


それら事業主体への金融サービスを担っている地域金融機関では、最近では各種CF事業者との業務提携を行っている所が増えていますが、地域金融機関自らCF事業を手掛けても良いと思います。CF事業を潜在顧客との接点を持つための切っ掛けとして、お客様との関係を深めながら、少しずつ経営支援や融資といった業務の広がりを増やせば良いと思います。


今日もありがとうございます!
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