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SOMPOホールディングス!

皆さん、おはようございます!
空を見上げれば大気の流れで雲が激しくうごめいている様子が見て取れます。普段、余り気に掛けることのない事柄かもしれませんが、日頃、見失いがちな人間の奢りも、この地球というメカニズムの中に組み込まれている存在であることを思い出させる瞬間だと思います。



新聞等で、時々、SOMPOホールディングス(=HD)が本業である損害保険とは異なる領域の事業を営む、スタートアップ企業や既存企業への出資や業務提携の記事をよく見かけます。金融機関であるSOMPOHDにとって、余りにも本業とはかけ離れた事業領域であるため、どこにその真意がありどの様なビジネス展開を目論んでいるのかが気になります。


今までのSOMPOHDの出資や業務提携の動きを時系列に整理し眺めてみますと、彼らの目指している方向性が明確であり一貫性があることが読みとれます。それは、人口減少、少子高齢化で国内の保険市場は大きな成長が見込めないことにあります。それらファンダメンタルを逆手にとり、積極的に予防ビジネスへの事業参入を急いでいることが上げられます。


例えばSOMPOHDは、2020年6月に米データ解析大手のパランティア・テクノロジーズに5億ドル(=約540億円)の出資を行っています。これだけを鵜呑みにすると、損害保険ビジネスにおいてアクチュアリーが行う保険の将来リスクや不確実性の分析、評価などの専門業務をシステムを導入して高度化していく為なのかと受け止めてしまいがちです。


また、最近、SOMPOHDは企業の人工知能(=AI)の活用を支援するサービスに参入するため、米グーグルなどが出資する有力AIスタートアップであるアベジャに約20~30億円(=21.9%)の出資を行い筆頭株主となっています。これはデータ解析にAIの機能を組み込み、高度なデータ活用を誰でも扱いやすい形で提供することにあるようです。


もともとアベジャ―とは、2020年夏ころからSOMPOHDグループ傘下の介護会社、SOMPOケアでの服薬管理システムの作成で協業を行っていたことに端を発しているようです。SOMPOケアでは、介護現場のデジタル化に取り組んでおり、センサーで利用者の健康状態を測定し、体調の変化に直ぐに対応できるようなシステムの構築を急いでいます。


センサー付ベッドを使い、入居者の心拍数や呼吸数、睡眠時間、ベッドから起き上がった回数の他、職員が食事や体温などを入力し、入居者1人あたりの取得データ約600種類を一元管理し、1週間後に病気が発症するリスクを予測するシステムも開発しているとのことです。同社は全国介護付有料老人ホーム400施設(=1万7500人)も展開しています。


それ以外にも、スポーツクラブのルネサンスから出向した社員の受け入れを始めており、介護施設での運動プログラム作り等に携わり、認知機能低下予防や身体機能の改善などで新規事業の共同開発を進めています。ルネサンスもスポーツジムでシニア向けプログラムを運営するほか、リハビリに特化したデイサービスも運営しておりノウハウの吸収に繋がります。


この様に、SOMPOHDは社会のニーズを読み切り、それに事業を通して対応して行こうと考えているのです。金融機関という保守的な企業が、新しく事業を立ち上げようとしている所に目を惹きます。しかも、自らの資金力に物を言わせることなく、資本参画や業務提携によりメリハリを付けながら着実に事業化を進めているところに注目しても良いでしょう。


今日もありがとうございます!
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