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未来の旅客機!

皆さん、おはようございます!
ソニーがビジョン経営に転換しています。多くの企業は株式時価総額を上げる為、業績指標に拘ったマネジメントを行っていると思います。財務数値ばかりを目標に掲げると会社は無味乾燥となり人は疲弊してしまいます。時にはビジョンを掲げ、夢を見ることも必要です。



航空会社も持続可能社会を実現していく為、将来の温暖化ガスの排出量削減につなげる動きを迫られています。最近でこそ、旅客機のジェット燃料としてバイオ燃料を混合する実証実験が行われていますが、それでも世界の大手航空会社の排出ガスの99%は石油を使ったジェット燃料だと言われています。自動車ばかりか旅客機にも変革の波が押し寄せています。


旅客機メーカーといえば、米ボーイングと欧州エアバスの二大巨頭に収斂していると思いきや、この領域にもスタートアップ企業が近未来の夢の旅客機開発を目指して奮闘しているようです。未来の旅客機のキーワードは2つ、「電動旅客機」と「超音速旅客機」の実現に向け開発が急がれているようです。きっと、それと併せて全自動操縦も実現するのでしょう。


米大手アメリカン航空は10億ドル(=約1080億円)を投じて、英電動旅客機ベンチャー、バーディカル・エアロスペースから最大350機の電動旅客機の予約注文で合意しています。それとともにバーディカル社に2500万ドル(=約27億円)の出資もするそうです。航空業界の温暖化ガス削減競争において、新興の技術を取り込んで行きたい考えです。


今回のバーディカル社が開発している旅客機は近距離を移動する5人乗りの4発モーター型プロペラ機であり、必ずしもアメリカン航空にとって主要路線で使用する程の機体ではありませんが、将来的な電動旅客機の大型化に向けた可能性に期待した投資であることが窺い知れます。2050年には旅客機の排出ガスをゼロにすることを目標に掲げているようです。


一方、米大手ユナイテッド航空は2029年の商用利用を目指し、超音速旅客機を開発する米航空機ベンチャー、ブーム・スーパーソニックと購入契約を結んでいます。2003年に騒音や燃費の問題から退役した超音速機コンコルドから約20年が経過していますが、スタートアップ企業4社が超音速旅客機の再来に向けた技術開発に凌ぎを削っているようです。


このブーム社の超音速旅客機は、機体に炭素繊維強化プラスチック(=CFRP)といった軽量で加工しやすい材料を多く使い、ソニックブームという超音速飛行で生じる衝撃波が地上に到達する騒音を抑制する効果的な機体形状を採用しています。また、その結果、低燃費を実現している様ですが、残念ながら燃料にはジェット燃料を使用しているとのことです。


このブーム社には、日本航空が2017年に出資する他、20機の優先発注権を持っています。ユナイテッド航空の正式発注に対し、日本航空は開発される性能や仕様をしっかりと見極め今後しかるべきタイミングで購入検討をしていくとしています。これに対し全日本空輸は超音速旅客機への出資や購入計画はないとしているところが対照的で面白いと思います。


昨年、三菱重工業による国内初の小型ジェット旅客機の開発中止が打ち出されています。旅客機の開発には数千億円から兆単位の資金が必要となります。電動旅客機や超音速旅客機の商用利用までには、まだまだ紆余曲折があると思います。ただし、次世代旅客機の開発に向けた技術革新は進めていかなければならず、それは大手航空会社の責務でもあるでしょう。


今日もありがとうございます!
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