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粉飾決算検知システム!

皆さん、おはようございます!
6月になり2週間が経過しています。気が付けば今年も半分が終わってしまいます。財務アドバイザーから始まった私の営みも、いまでは事業開発、経営、財務、マーケティング、ITといった中小個人事業の運営に必要な機能を業務受託するビジネスへと進化してます。目指す所は、地域の課題を既存固有資源を活かしながらビジネスを通して解決することです。



りそな銀行は、企業の財務諸表や預金口座を出入りする資金の流れから粉飾決算を検知するシステムを開発したそうです。年度内に自行業務で使えるようにし、粉飾の有無を手早く見抜けるようにするそうです。コロナウイルス禍の業績悪化で粉飾に手を染める企業が増えることが見込まれる中で、他の地域金融機関にもこのシステムを外販する計画を持ってます。


コンサルティング会社のクレジット・プライシング・コーポレーションに協力を仰ぎ、過去に明らかとなった粉飾決算の情報をデータベース化。企業の財務情報をプログラムが読みとると粉飾の可能性を数値で示す仕組みです。多岐に渡る項目から、例えば雑資産やその他固定資産の比率が急激に変動していると、それを感知して粉飾を疑われやすくなるようです。


銀行が企業の粉飾を見抜くには一定のスキルが必要で、習得に時間がかかると言われています。本来は、その目利き力こそが銀行経営における利益の源泉となるノウハウなのですが、それだけ行員の目利き力が弱まっているということなのでしょう。分析を定型化できれば、早い段階で粉飾の有無に気付けるようになり、業務の負担軽減にも繋げることが狙いです。


銀行が持つ膨大な情報から粉飾を見抜くシステムをつくる試みは全国でも初めてです。2020年に不適切な会計処理が発覚した上場企業は60件にのぼり、そのうち粉飾決算は4割にあたる24件もあったそうです。会計監査人の設置義務のない中小企業では更にに多くなることでしょう。コロナ禍で政策特別融資を受けた企業の業績悪化が見込まれるからです。


粉飾決算に走る企業の増加が見込まれ、りそな銀行は地域金融機関の間で一定の需要があると捉えています。金融機関にとって非常にユニークなシステムを開発したものと思います。銀行に留まらず、会計監査の場面においても応用することも出来るのではないでしょうか。
業務を情報システムに置き換え標準化すれば、生産性も向上すると考えることが出来ます。


しかし、逆にいえばこの粉飾決算検知システムの導入により、銀行員の経験知に基づいたお客様に対する目利き力が減退することを意味します。よく銀行業は情報産業だといわれますが、経営者と対峙して五感で得た経験知に勝るものはないと思います。顧客企業の粉飾決算の有無は、経営者の人となりを見れば大体インスピレーションとして察しが付くものです。


その上で、財務諸表の貸借対照表とキャッシュフロー計算書を見比べれば、辻褄があっておらず、どの様な粉飾を行っているかが手をとる様に見て取れます。その様なことをシステムに代替してしまいますと、確かに銀行経営からみた場合に銀行員の能力のばらつきを是正し貸出債権の管理リスクを軽減できるのでしょうが、失うものも大きいことを知るべきです。


銀行にとっての最大の財産は、事業の目利き力です。それは定量的に図れる部分もあれば、それ以上に定性的に感じ取らなければならないことです。それを経験知により体得することにより、新たな事業を創り出していくノウハウに結び付けて行けることが出来るのです。いま、地域金融機関に求められているのは、その事業の目利き力を呼び覚ますことでしょう。


今日もありがとうございます!
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