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事業計画の意味!

皆さん、おはようございます!
この4月の大手企業のトップ交代が新聞紙上で発表されてきました。一通り目を通すのですが、俗にいうブランド力の高い企業ほど新しいトップの学歴が一流大学であることに改めて気付かされます。これからの時代を考えると学歴に関係なくトップ人事を行うべきですが。



いま巷では、コロナウイルス禍で傷んだ事業を立て直すべく、政府が中小企業等事業再構築補助事業に1兆1千億円もの補正予算が盛り込まれたことで、知らない人はいないというくらい多くの中小企業の間で話題となっています。この補助金は、一言でいうと立ち行かなくなった既存事業に留まることなく新規事業や商品開発を行う企業を支援していくものです。


1件当たり最大6000万円もの補助をする計画であることから、皆さん相当に鼻息が荒くなっている様です。しかし、少し冷や水をかけるようですが、この補助金を得るためには何となく新規事業や新商品を開発するという思惑だけでは為し得ず、相当用意周到に整えられた骨太の事業計画を持ち合せていることが必要であることにご理解を頂く必要があります。


ものの例えとして、スタートアップ企業がベンチャーキャピタルから資金調達するよりも難易度が高いのではないかと受け止めています。既存事業の強み、弱み、機会、脅威(=SWOT分析)から導き出された新規事業や新商品の蓋然性にはじまり、その新規事業や新商品の市場性について定量的に分析した上で、事業計画として取り纏めていく必要があります。


更に3000万円以上の補助金申請を行う事業主体については、メインバンクとともに申請を行う必要があります。しかし、よほど事業主体の事業再生に金融機関がコミットしていない限り、金融機関も受け合わないものと思います。他人のお金、特に公的な資金を得ることはそんなに生易しいことではないことを充分に理解しておく必要があるものと思います。


これが長年、事業開発を通じて多くの事業計画を策定してきた立場から言える感想ですが、本補助事業が想定している対象事業は補助金額にして100~1000万円規模の資金を必要としている中小企業なのでしょう。事業計画を書く立場からしましても、付け焼刃で計画書の体裁だけを整えるというよりも、その事業にコミットして腹落ちしないと出来ません。


よく見てくれの良い事業計画を卒なく取り纏めることに長けた方を見受けますが、魂のこもっていない事業計画をいくら書いた所で実現可能性がなければ、意味のないことだとつくづく思います。事業計画とは、金融機関などから資金調達をする為のコミュニケーションツールとして単に財務数値を羅列するに留まらず、実効性をともなっていなければなりません。


将来の成功するかどうか分からない新規事業や新商品について事業計画に纏めていくということは、「答えの有る問い」に対して早く正しい答えを見出す能力ではなく、「答えの無い問い」に対してその問いを問い続ける能力が必要です。それは書物から学べる言葉でいい表わせる知識だけで太刀打ちできるものではなく、実践的な経験からしか掴めないものです。


その意味からは、失敗経験をも含め実際に事業開発したことがなければ生きた事業計画を書けるものではありません。事業を開発する過程で割り切れないことに対して安易に割り切ることなく、思い悩みながら精神のエネルギーをどれだけ費やしてきたかによって、事業の厚みも異なって来るものです。実践知や暗黙知から滲み出た事業計画が望まれるところです。


今日もありがとうございます!
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