皆さん、おはようございます！
時代の変革期というものは、社会に何か大きなインパクトが起きて、それまで人々が信じてきた価値観や慣習が一変することを指すのかもしれません。それは技術革新を契機とするものであったり、今回のコロナ禍のような人間を取り巻く天変地異なのかもしれません。

世の企業に勤めるサラリーマン諸氏とお話しをしますと、皆さん異口同音に「出来ることなら自分で事業を起したい」と言いますが、安定した生活を投げ打つことには些か抵抗があるようです。ここに現代社会が抱える課題が潜んでいる様に思います。一つは企業勤めに必ずしも満足していないこと、もう一つは起業に対しリスク意識が付き纏うことです。

前者は、戦後日本が培ってきた大量生産大量消費社会を実現する為の必然であった日本型雇用が時代にそぐわなくなっていることと関係があるように思えます。最近でこそ、企業も組織の活力を高める為に、副業や兼業を認めたり、ジョブ型雇用の導入検討を行っていますが、それまでの宮仕え型雇用では働き手のモチベーションを削ぐばかりだからです。

後者は、前者とも関わる働き手の意識の問題でもありますが、そうした企業文化に長年親しむことで、宮仕えと引き換えに安定した生活に甘んじる、馴れ合いの構造に染まっていることが理由として上げられます。一方で、確かに事業を起すことは「せんみつ」の難しさがあることは事実ですが、少々、事業に対して構え過ぎている面も否めないでしょう。

大企業などがない江戸時代にまで遡れば、町民や農民などは生計を立てるために兼業が当たり前であったと思います。消費者のニーズを捉え、自らのちょっとした技を提供していく柔軟な発想力を糧に結びつけながら、精神的に豊かな粋な生活を享受していたのではないでしょうか。これが本来、日本人が持っているＤＮＡであるように思えてなりません。

そして現代は情報化社会です。情報化社会は、これまで企業組織が人海戦術の中で得た情報力を背景とする優位性を打ち砕き、個人でも企業に互して情報力を駆使できる時代です。それどころか、むしろ形式知としての情報力以上に、暗黙知に裏付けられたアイディアや考え方といった個人が持つ新しい情報を生みだす力が社会を大きく動かして行く時代です。

個人と個人、個人と企業がオープンプラットフォームの上で柔軟に手を取り合うことが大切になってくることでしょう。その様な中で、個人がもっと自律的かつ柔軟にアイディアを創出して糧を得られる社会にすることが、日本に活力を取り戻す早道だと思います。企業勤めの人々が、組織という枠組みに囚われずに自由に小商いを営める社会が待たれます。

いま、中小企業、個人事業者への新規事業立上げやそれに伴うＭ＆Ａ等に取り組んでいます。それら事業者にとって、未知の商品をいきなりＥＣ販売するには事業リスクが高いと言わざるを得ません。その前段階としてテストマーケティングの場として購入型クラウドファンディングを活用し、成功した暁にＥＣ販売に移行できますとリスクを軽減できます。

また、事業者にはＥＣサイトやクラウドファンディングサイトのページを制作したり、プロモーションを行ったりする余裕がない現実の問題があります。それら業務を代行し、伴に商品を育てていくサービスに根強いニーズが存在していると感じます。生業を営む者たちは商品を創出することに専念し、その他のことは外部がサポートすれば良いでしょう。

それが結果として、多くの小商いを営む人たちを生みだす呼び水となり、標準化された商品では満足できない、創り手の顔の見える商品を選好する消費者たちの欲求を満たすことに繋がります。これからは多品種少量生産の時代であり、規模の経済を追求することなくそれを可能にするのは、情報技術を活用したＷｅｂ販売であることは間違いありません。

大手企業ばかりが標準化された商品を提供する社会でなく、多くの中小・個人事業者がプロシューマーとして、独創的なアイディアや考えで新たな価値ある商品を創出する時代が到来すると思います。それは、プロシューマー同士、プロシューマーと大手企業が風通しの良い連携関係を保ちながら、協業していくことが求められる時代になると思います。

それら生活者の視点を持ったプロシューマーたちが活躍できる、オンライン、オフライン上のプラットフォームを創出し、それを通じて自ら企画開発した商品を販売する機会を提供したり、創知に必要なコミュニティの場を提供していく必要があると考えています。それはある意味、究極的には笑顔の絶えない「まちづくり」に通じるのかもしれません。

今日もありがとうございます！
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