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専門性を持つ大切さ!

皆さん、おはようございます!
設計士の道を志し建設会社に勤めたもののバブル経済崩壊とともに会社が破綻。その後、隣接領域の不動産開発の仕事をしている先輩がいらっしゃいます。必ずしも専門ノウハウが高いという訳ではないのですが、商売が上手でそれなりに手腕を発揮していらっしゃいます。



長い人生、一つの専門性だけで40~50年も糧を得られることは仕事冥利に尽きますが、そんなに長きに渡り専門性を磨き続けると、その周辺領域の専門性にまで広がりが出て来るものでしょう。よくT字型に深く広くスキルを身に付けることが大切だと言われます。それは、その通りで広げた専門領域から逆に自らの核となる専門性を見つめることも出来ます。


冒頭に記載した先輩も、核となる設計に関する専門性があるから、その周辺領域にまで触手を伸ばすことが出来るものと思いいます。いまでも設計図面を見ている時はとても楽しそうな表情をされています。不動産開発をするときも、当然に建物図面と睨めっこするケースが多い訳で、その軸がしっかりしているからこそ不動産開発の領域にまで触手を伸ばせます。


普通、人間というものは自分自身に経験のないことに対して仕事として糧を得るためには、自らが提供した商品に対して責任が付き纏うため、そう簡単に手出しができないものです。
しかし、自分にも出来ると思いこむことが出来れば、最初は失敗を繰り返すかもしれませんが、そこから逃げずに自分のものにしていくことが可能です。要は思えるか否かなのです。


だから、あまり自らの専門性にばかり捉われていないで、専門領域の幅を広げていくことも自分の人間としての幅を広げるという意味で大切なことです。私の専門性は広い意味でのファイナンスです。金融の世界もかじり、ディベロッパーでのアセットファイナンスばかりでなく、コーポレートファイナンスにまでオールマイティに対応できる太い幹を持ってます。


だからこそ、業界を問わずどの様な業種のファイナンスにも対応することが出来る自信があります。考えても見れば40年もそれで糧を得ている訳ですからあたり前でしょう。ただ単にファイナンス理論や会計理論を知識として習得しているのでなく、知識と経験を武器にしてマネジメントするノウハウ(=解答のない解答をみずから見出し判断する)も持ちます。


なんと申し上げたら分かり易いのか、暗黙知と形式知を総動員して自分なりの理論を編み出すとでも言ったら良いのでしょうか。一つの道を究めると考える力が数段も高まって来るものです。それを縦軸だとしたら横軸は、やはりディベロッパーに在籍していたことがありますので不動産絡みの企画ということになるのでしょうか。不動産の定義も広いですからね。


私から見れば山林事業も不動産事業であり、小売業も不動産事業です。不動産を縦軸に持つ方から見たら怒られてしまいそうですが、生産の三要素を思い浮かべれば、労働・土地・資本ということになりますので、いずれの事業にも土地という不動産が絡んでくるわけです。私から見れば土地や資本を還元した不動産立地を見て、様々な事業を構想しているのです。


きっと先の設計士の先輩も、建物の設計という観点を起点として拡大解釈することにより、不動産開発を見つめているものと思います。一本の縦軸がT字型を超えて、太い筒状の縦軸になっているのでしょう。自分の発想力の原点は変わらないものかもしれません。そこに応用力が付くからこそ、器用に様々なことが出来るようになるものと捉えるに至っています。


今日もありがとうござます!
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麻布台ヒルズ!

皆さん、おはようございます!
人間力という言葉を使うのは初めてかもしれません。私のイメージは寡黙でありながらも、そこに居るだけで存在感のある人物だと思います。多くを語らなくとも様々な紆余曲折の実体験を通じて全てを知り尽くしている、嘘をついても見透かしてしまう様な人物でしょう。



森ビルが「麻布台ヒルズ」を開業しました。約330メートルと高さ日本一のビル「森JPタワー」を中心に、住宅や商業施設、ホテルなどが入る複数のビルで構成される巨大複合施設が出現したことになります。六本木ヒルズをはじめ複数の「ヒルズ」が港区六本木から虎ノ門にかけてつながる形となり、同地域における森ビルの存在感が際立つ格好になります。


麻布台ヒルズは旧郵政省本庁舎ビル跡地など8.1ヘクタールの敷地に出来上がった街区です。森ビルは1989年に街づくり協議会を立ち上げ、地権者約300人もの方々と用地買収交渉を行ってきた経緯があります。国家戦略特区における都市再生プロジェクトとして2017年に都市計画決定され、2018年に再開発組合が立ち上がり翌年に着工してます。


これだけの一等地に超高層ビルを群雄させるには、泥臭い用地買収交渉のみならず、政界にも太いパイプを持ってこそ初めて可能となる開発力だと思います。しかし、正直にこの麻布台ヒルズが34年もの月日を経て実現した産物であることには驚かされます。林業における樹木だって34年もの月日が経てば伐採した丸太を適正な価格で販売できる年月でしょう。


私がセゾングループのディベロッパーに入社したのが1990年であり、その時には既に事業化に向けた準備が進行していたことになります。そして地道に用地買収を行っていた2000年には、彗星の如く現れたこのディベロッパーが流れ星のように、その輝きを失ってこの世から消え去っていることを考えますと、森ビルのそこ力らには脅かされるばかりです。


しかも同じ非公開会社でありながら、これだけのヒルズを開発する資金をどの様に捻出したのか、コーポレートファイナンスを専門とする立場として、他人事ながらとても気になります。森ビルの2023年3月末時点の有利子負債は1兆6020億円と、10年前の7446億円から2倍以上に膨らんだ格好です。貸手である銀行も勇気のいる決断だと思います。


自己資本比率は25.8%と大手不動産各社の中で低い水準にあります。一方の業績の方は2024年3月期の連結営業利益ベースで755億円の見通しで、10年で1.7倍に拡大する見込みです。この連結営業利益の水準は決して高いとは言えないでしょう。ヒルズの1施設当りの投資額が巨額であり、リスク分散が図れているポートフォリオとは言えません。


元々、森ビルの創業者は学校の師範であり都内の一等地に不動産を所有する資産家であったとはいえ、最近のヒルズは全て借入金に頼って用地買収により街区に超高層ビルを開発しています。それは既存ビルから産み出されるキャッシュフローだけでは賄えないほどの巨額の投資となっていますので、その不足資金を銀行からの借入金に頼ってると言えるでしょう。


確かにこれだけブランド力のある超高層ビルであるなら、同じ場所に有り来たりのオフィスビルを開発するより高い賃料収入が期待でき、建物の陳腐化による家賃の目減りも少ないかもしれません。その分、単位当たりの建築費も高くなることに留意が必要です。これだけの大事業を行うには、リスクでは言い表せない果てしないロマンがないと出来ないでしょう。


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イトーヨーカ堂の店舗立ち退き!

皆さん、おはようございます!
自分が何処へ向って行くのか考えることは大切ですが、その答えは向こうからやって来るという方が正しいと思います。それは頭で判断するのではなく、五感によって感じながら直感で捉えることです。そうやって感じ続けていないと、やって来ていることに気付けません。



セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が都内の一等地の店舗から立ち退くを決定したそうです。建物と敷地を所有する地元不動産会社との訴訟で敗訴が続き、最高裁で勝てる可能性が低いと判断。後継店舗として競合他社のイオンリテールが出店する見通しだといいます。なんとも無様な負け戦の様相ですがイトーヨーカ堂はどうしたのでしょう。


対象店舗はイトーヨーカ堂上板橋店です。東武東上線上板橋駅から徒歩2分程の好立地に位置する、衣料品なども扱う4階建ての総合スーパーです。地元不動産会社の小宮恒産と賃貸借契約を結び、1971年に営業を開始しています。築年数にして52年も経過していますから、本来は建て替えの時期なんでしょうが老朽化を理由に減額交渉でもしたのでしょう。


イトーヨーカ堂はスーパーの売上高減少に伴う業績悪化を受け、2000年以降に複数回、賃料減額を小宮恒産に要請してきた経緯があります。23年間にも渡る賃料減額交渉とは恐れ入ります。当初、小宮恒産は賃料減額に応じてたと言いますから、当然にイトーヨーカ堂側にも売上を高めるためにどれだけ営業努力を行ってきたのかが問われるものと思います。


この点に関して、小宮恒産側もイトーヨーカ堂が店舗を建て替えるなど収益改善に向けた抜本的な改善策を提示していないことを指摘しています。一般的にスーパーマーケットなどの建物賃貸借期間は20年だと考えられます。その契約期間が満了した後の契約更新に際して
、イトーヨーカ堂と小宮恒産は度重なる交渉を続けてきたものと考えるのが自然でしょう。


建物が老朽化すれば売上減少することは理解できます。そうでなくとも周辺には競合他社が店舗を新設しているでしょうから市場のパイの奪い合いどころか、パイを奪われ続けてきたのでしょう。それにも拘わらず、抜本的な対策を打たずに賃料減額のみによって業績を維持しようとしてきたイトーヨーカ堂の方に無理があり、経営姿勢が問われるものと思います。


業を煮やした小宮恒産は2021年末で契約終了をイトーヨーカ堂を通知しています。イトーヨーカ堂が任意で退去しない状況を背景に、建物明渡請求を2021年に東京地方裁判所うに提訴していますが、一般的にも当然の流れでしょう。一審の東京地裁での判決は貸主である小宮恒産側が勝訴するばかりか、東京高裁での二審も小宮恒産の勝訴となっています。


イトーヨーカ堂としては、最高裁に上告しても勝てる見込みがないことから、最終的に退店する方針を固めたようです。それにしても不思議なのは、なぜイトーヨーカ堂側は東京高裁で敗訴判決を貰うまで深追いしたのでしょう。当然に代理人弁護士が就いている筈ですから勝てない訴訟であることは店舗管理担当役員ばかりか経営陣に伝わっていたことでしょう。


私にも経験がありますが、大手企業になりますと稚拙な判断とプライドが入り混じって弁護士に任せておけば良いという無責任さが働くものです。その時の経験から言えることは、経営者が無責任な期待を持って弁護士に全面委任するなら経営者はいらない、ということです
。最近のイトーヨーカ堂グループはどうも無責任な官僚体制が蔓延っている様に思えます。


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