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慣習に捉われない意識を持つ!

皆さん、おはようございます!
昨晩は、10年前よりお付き合いをさせて頂いている公認会計士の先生とご一緒させて頂きました。つい最近、大手会計事務所を退所され、独立されたばかりです。今後は中小企業の事業承継を中心に活動をなさるそうで、協業していくことで話に花が咲きました。



企業勤めをしますと、一般的に専門分化された部署に配属されるものです。営業、技術、財務といった業務機能ごとに部門が束ねられ、企業全体として事業目的を追求する分業体制が敷かれてるのが普通だと思います。働き手は、配属された部門で専門性を築き上げ、やがて営業畑の人材、技術畑の人材、財務畑の人材へと言われるようになっていきます。


という私は、財務畑を自称しながら、実は財務部門で働いた経験がありません。振り出しの信用金庫でこそ、金融業務全般についての実務経験があるものの、その後、自ら直接事業に携わりたくて転職した今はなき大手流通系ディベロッパーでは、事業開発プロジェクト単位で業務を自己完結する必要から、様々な専門性を持った人材が結集します。


金融機関出身ということから、事業計画の立案や金融機関からの資金調達を行う担当者として、初めて関わったプロジェクトが都市開発事業の新百合ヶ丘駅前複合商業施設開発です。11名の所有者が持つ36千㎡の土地に、百貨店棟、専門店棟、レストラン棟、ホテル棟を事業化する計画であり、総延床面積が約17万㎡であったと思います。


ここでの仕事を通して、土地所有者や各施設に入居予定のテナントとの賃料条件等利害関係の調整をしながら事業計画に落とし込んでいき、また建物建設資金を金融機関から調達するために説明に回るという業務に傾注していました。まだ、20歳代半ばの吸収力の良い多感な時期でしたので、仕事が楽しくて仕方なかったことを今でも記憶しています。


ところが時代的背景が、いま振り返ればバブル経済が完全にピークアウトしている時期でもあり、小売業を営むテナントの出店床面積や出店希望賃料が急激にシュリンクしはじめ、施設計画の採算性も見通しが立たない状況に至ってしまいます。ディベロッパーとしては事業用地の容積率を100%使い切ることが常識とされている時代でもあります。


未だバブル経済の余韻が残り、景気の陰りは一時的なものであるという見方がなされていた時期でもあります。その様な中、建物の床面積をテナントで埋め尽くせないのなら、建物の規模を縮小した方が良いとの提案をしています。それは、金融機関の不動産向融資が不良債権化するという読みが働き、景気低迷が長期化するという直観があったからです。


ベテランの諸先輩たちからは、お前はディベロッパーという事業の本質を未だ分かっていないと言われたものです。不動産価格というものは、長期プライムレートと連動して上がるものだと言われましても、結果的に過去がそうでも、今後も続くとは思えませんでした。そんなドンブリ勘定よりも、いま現実の事業の採算性を優先したかったのです。


常務会にまで上申し、将来景気が良くなった時に建物を増床する余地を残して、いま採算の合う適正規模に建物を縮小するという承認を得ることが出来ました。私が俗にいう財務畑であったら、表面的な数値だけで物事を判断する様になっていたと思いますが、実情に合わせて理解した事業を財務数値で表現することが私の持ち味なんだと思います。


今日もありがとうございます!
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