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植物性新素材CNF!

皆さん、おはようございます!
息子たちが、街づくりを志向している姿を見ますと嬉しくもあります。迷いにまよった挙句、ようやくその糸口を見出し、没頭している姿が頼もしいものですね。ふと、私が彼らに追い越された時に、あとを彼らに委ねたいと思うのかもしれないと感じました。



京都大学とデンソーなどは、共同で植物由来の新素材を採用した自動車部品を実用化するそうです。利用する新素材は「セルロースナノファイバー(=CNF)」という、樹木などの繊維をナノ(10億分の1)メートル単位までほぐし、樹脂に混ぜて再び成型した素材の様です。2024年にもエンジン周辺部材や内外装などに利用する計画です。


CNFはプラスチックに比べるとやや重いが、強度が高いため自動車部材を薄型にでき、プラスチックや金属の代用品として期待されています。重さは鉄の5分の1、強度は5倍にも上り、軽くて強い特徴を生かし、建築資材やランニングシューズなどで商品化が始まっています。2030年には関連市場が1兆円規模になると予測されています。


原料の木材は、国土の7割を占める森林に豊富に存在しています。森林は温暖化の原因となる二酸化炭素(=Co2)を吸収して育つので、CNFへの利用によりCo2を固定して排出を抑えるという意味で、これからの持続可能社会の実現に向けて環境に優しい新素材ということが出来ます。実現すれば、稀に見るイノベーションであると思います。


新たな事業/商品を生みだすにあたって付きものの課題もないわけではありません。加工に関わる製造コストが、既存のプラスチックの3倍近い1Kgあたり1000円超にものぼり、製造技術の改良や量産効果による低減を図っていく必要があります。自動車産業では、車体の軽量化に伴う燃費改善により普及するのではという目算もあるようです。


一方、原料となる木材について、間伐材などを使うことで安く安定的に調達できると想定しているが、果たしてそうであろうか。現在の一次産業である林業界は、林業従事者が極端に減少しており、また、山林所有者が相続等により所有者不明山林も増えています。木材を安定的に供給する為には、山林を集約し効率的な施業をしていく問題もあります。


一つの新素材を現実のものとして普及させて行く為には、素材開発をするだけに留まらず、原料の調達から用途開発に至るまでの様々な産業に跨る課題を解決して行く必要があります。各々の産業界は成熟、若しくは衰退しており、新素材を開発しようとする事業者はそれら隔たりの高い業界をも変革していくエネルギーをも必要としています。


これからのイノベーションは、縦割りとなった旧態依然とした業界の垣根を越えて大局的に俯瞰しながらサプライチェーン(=原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスの繋がり。)を紡ぎ直していく必要があります。未だ産業が確立する以前の新商品開発よりも、複雑化した利害関係を紐解く分、手間が掛る作業だと思います。


これからの時代の社会の枠組みの再編集は、慣習として固定化された枠組みを紐解き結び直すプロセスです。それを現実のものとして行く為には、硬直化したピラミッド型階層組織をオープンでフラットにしていく必要があります。企業だけに拘わらず、個人も含め、理想の社会を実現すべく、固定観念に囚われない自由な発想に立つことが求められます。


今日もありがとうございます!
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