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3つのファンドビジネス!

皆さん、おはようございます!
昨晩は、以前よりお世話になっています同年代の士業の先生と久しぶりにお会いさせて頂きました。大手事務所でそれなりのポジションを得ていらしたので安泰かと思いきや、これからの長い人生を考えて独立されるとのこと。起業にエールを送りたいと思います。



誰もが先週末に見聞きしたのが、ソフトバンクグループによる「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号ファンド組成の件ではないかと思います。昨年組成した1号ファンドにおいてさえ、そのファンドの10兆円という途方もない運用規模の大きさから度肝を抜かれた関係者が多いのではないかと思います。


既にその10兆円もの運用資金をスタートアップ企業への投資を終え、投資先企業の中には米カーシェアリング事業を営むウーバーの様に株式公開を終え、または近々に株式公開を予定する企業が具体化しており、1号ファンドの運用成績もすこぶる良好のようです。
そのせいか今回の2号ファンドも前回と同じ10兆円規模の運用資産を予定しています。


今回のファンドには、前回の1号ファンドよりも出資者が増え、米マイクロソフト、英スタンダードチャータード銀行、米ゴールドマンサックス、国内からはみずほ銀行をはじめとするメガバンク3行が参画する他、第一生命保険、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、大和証券グループ本社なども出資が決まっているようである。


同ファンドの運用マネージャーを務めるのはソフトバンクグループの会長兼社長である孫正義氏です。人工知能(=AI)の基礎研究から実際に事業として応用する時期をとらえAIに特化したファンドとなっています。孫氏自身「AI革命の指揮者になりたい」と言及しているようにAIを活用した事業化に賭ける思いは並大抵ではありません。


1号ファンドでも一定の成果を収めているということができ、今回の2号ファンドでは世界中の機関投資家の注目が集まっています。AI社会を現実のものとしていくためには、それを実現しようとするスタートアップ企業が必要とする巨額の資金需要に対して安定した供給を行っていく必要があります。


大きな経済圏での枠組みの話となりますが、世界的な低金利と一向にパッとしない経済状況の中でダブついた巨額の資金を社会的に有益な投資先に導く先導者としては、意味の大きなファンドだと思います。AI社会を実現していくためには、単に一スタートアップ企業が事業を立ち上げるのみならず、各々の企業が連携関係を取ることも不可欠でしょう。


ソフトバンク・ビジョン・ファンドが大きな経済圏の話であるとしたら、小さな経済圏のファンドについても取り上げないわけにはいきません。国際協力機構(=JICA)は、米独の政府系金融機関などと共同で、途上国の女性の社会進出を支える金融サービスに投融資するファンドを設立します。


運用規模は約110憶円で、このうち約4割をアフリカのサハラ砂漠以南のサブサハラ地域に充て、マイクロファイナンスと呼ぶ小口金融の普及を後押しし、女性が起業などによって活躍できる環境を整え、途上国の経済成長を促します。マイクロファイナンスとは、商店や農業などの小口資金を融資して貧困層の所得増加を支える仕組みです。


日本でも昔存在した無尽や協同組合などの地域金融の役割を果たし、祖語互助的な発想に基づいてファンド資金が運用されていくことになります。地域での小口の生業に必要な資金をその地域で生活する人々が連帯して個々人が融資を受け、その小規模事業から少しずつ返済を行っていくものです。


もう一つは、サッカー選手の本田圭佑氏が米俳優のウィル・スミス氏らとドリーマーズ・ファンドを共同設立しています。脳とコンピューターの接続技術の実用化を目指すニューラリンクと、地下高速道路の建設を目指すボーリング・カンパニーの2社への出資を予定しており、100憶円のファンドを目指し資生堂、電通などからも出資を受けています。


これら3つのファンドの投資目的は各々異なりますが、いずれもこれからの社会を良くしていくために不可欠な投資先であるということが出来ると思います。安定収益を確保するためのローリスク・ローリターンのファンドとは異なりますが、いままでお金が本当に必要とされるところに還流されることが少なかった中での進歩だと思います。


金融経済とは実体経済と両輪となってバランスがとれてはじめて生かすことができます。いままでは金融のプロが微分的な視点で運用をマネジメントしていましたが、ようやく金融以外の方々が積分的な発想でファンドをマネジメントし始めたことが奏功しているように思えます。ファンドビジネスも新たなステージを迎えていると言えるでしょう。


今日もありがとうございます!
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