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事業リノベーション!

皆さん、おはようございます!
リノベーション(=Renovation)という言葉から何を連想するでしょうか。
きっと、リフォームが家の手直しや修繕を表すのに対して、家の価値を高めるための比較的規模の大きい改修工事を思い付くことでしょう。



リノベーションには、実はもっと広い様々な意味があります。「再開発。」「既存のシステムの一部を利用したり、それを創造的に破壊することによって新しいシステムを構築すること。」「都市開発、企業革新、事業革新、製品革新」など、さまざまな意味で用いられる概念であることが分かります。


元々ある資源(=リソース)全てを捨て去ることなく、それを生かして新たな価値を生み出していくことがリノベーションだと思います。今までの規模を追求する経済では、古いものを直ぐに新しいものへ置き換える風潮がありましたが、やはり古くても使える資源は使い続けた方が、地球環境にとってもエコであることは間違いありません。


それ以上に、人間の感性的にも安らぎを覚える部分がある様に思えます。まだ使えるのにそれを生かさずに捨てることは、資源の無駄遣いであり社会的な損失でもあると感じたりします。それは、家とか建物といったハードウエアだけに限ったことではなく、事業というソフトウエアについても同様のことが言えると思います。


いままで、仕事で会社の再建や事業の再生、改善といったことに携わった経験が多かったこともあります。中には再建や再生が叶わず事業を葬り去らざるを得なかった経験も何度となくしています。その様な時に、事業が消え去ることは社会的な損失であり、事業資源の一部でも何らかの形で残して行きたいと思うものです。


今日でいえば、後継者のいない中小零細企業が社会問題となっています。オーナー経営者の高齢化により、いつかは引退が避けて通れませんが、時間を掛けて築いて来た事業の技術、ノウハウ、知名度、人財、ビジネスモデルといった事業資源を自ら廃業により失うことは社会にとってもかえ難いものであると思います。


それなら、それら事業資源を引き受けて、リノベーションをおこない付加価値を高めて、再活用することもあり得るのではないかと思います。最近、起業するに際してゼロから全てを立ち上げるのではなく、後継者のいない中小零細企業を個人で買収する事業承継型のM&Aが増えつつありますが、これなどもリノベーション型の起業といえるでしょう。


業績が好調で単に後継者難の中小零細企業であれば、そのまま事業を引き継いでもそれまでの事業資源を維持することが出来れば、何も問題なく事業を継続することが出来ます。
業績が振るわない事業であっても、必ずその事業固有の強みがあるものです。その強みを生かして、弱みを改善して遣れば再生を果たすことが可能です。


それが出来るのは、オーナーシップの変更をともなう時かもしれません。長年、その事業に入り込んでしまいますと、なかなか客観的に事業全体を俯瞰することが難しくなります。事業を引き受ける時に外部の目線で、対象となる事業のリノベーションのデザインを描くことが出来れば上手く事業を改善していけるものと思います。


事業承継型M&Aですと事業を有償で購入しなければならなくなりますので、ナリワイ型事業引き受けを行ってみては如何でしょうか。ナリワイ型事業引き受けとは、後継者のいない中小零細企業の後継者として入社する方法です。暫くはオーナー経営者と二人三脚で事業を学びながら徐々に承継を受けていけば良いと思います。


その際に、それまでの事業の悪いところは建て直していくことを条件として、またオーナー経営者の持つ人脈やノウハウの伝承を受けることを約束すれば良いでしょう。
ここで、個人では流石に買収資金が高額となり用意できないと思われる方も多いでしょうが、いろいろと遣り方があるものです。


これからの時代、人口減少にともなって建物の空き家問題も顕在化してきます。これらも地域を良くしていくことを考える場合、建物のリノベーションによる有効活用を考えて行かなければなりません。それと同時に、地域経済の要である中小零細企業も後継者難や業績不振に手を拱いているばかりでなく事業のリノベーションが不可欠だと思います。


地域にはハードウエアとしての建物とソフトウエアとしての事業が交差して、そこに人々がコミュニティを形成することにより活力を生み出していくものだと思います。
いままでの規模の経済の追求により膨張した社会の枠組みをリデザインしていくにあたり、使えるリソースは生かし、古きものをリノベーションして行けば良いでしょう。


今日もありがとうございます!
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