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横浜銀行の新たなサービス!

皆さん、おはようございます!
情報技術革新により、銀行にも新たなサービスの可能性が見い出されています。
本来、銀行ビジネスはお金を媒介とした情報ビジネスと言い換えることができます。
必要なのは、新たなことを憶することなく手掛けていく柔軟な発想でしょう。



地銀の尾である横浜銀行が、情報技術を活用した新しいサービスを矢継ぎ早に打ち出しています。ハマ銀として親しまれて来た同行は、横浜という恵まれた地域を営業拠点として持ち、地銀の中でも垢抜けたイメージを持たれています。1910年に横浜興信銀行として設立され、それまでの地域金融機関が大合同して誕生した歴史を持ちます。


お客様への対応も折り目正しく、お客様の立場で親身に考えてくれる、正統派の銀行と言えるでしょう。よく銀行の融資に際しての目利き力に触れることが多いですが、横浜銀行の目利き力の如何はともかく、自ら融資を行ったお客様に対しては、きちんとリスクを取りに行こうとする行風だと思います。


そんな横浜銀行が二つの時代を先取りする新たなサービスを開始します。一つは預金をするお客様へのサービスですが、東京急行電鉄(=東急)の駅の切符券売機で横浜銀行の預金を引き出せるサービスです。銀行のスマートフォン決済アプリ画面を券売機にかざすと一万円札を一日3万円を限度に引き出すことが出来ます。


鉄道の券売機で預金を引き下ろせるサービスは国内で初めてです。東急沿線の東京都内と神奈川県内の85駅(=東急世田谷線とこどもの国線を除く)が対象となっています。
コンビニエンスストアに行けば、どこでも預金を引き下ろすことが出来る訳ですが、更に生活に身近に手軽になるという意味では、とても斬新な取り組みだと思います。


もう一つは、融資に関する新たなサービスの開始です。取引先との「商流」を担保にした融資であり、担保や保証に限りがあるスタートアップ企業にとって借り易くなるという意味では、こちらもなかなか玄人受けするサービスを考え出したものだと思います。サービスの名を「PO(=パーチェスオーダー)ファイナンス」と言います。


販売先との受注記録を裏付けとした電子債権を組成し、これを融資に際しての担保に出来る仕組みとなっています。創業間もないスタートアップ企業が決算の実績にかかわらず、運転資金を調達することが可能です。フィンテック(=金融とITの融合)ベンチャーのトランザックス(=東京都)との業務連携による取り組みです。


もともと銀行は、お金を媒介としたサービスを提供するビジネスを営んでいます。そのサービスは情報の遣り取りということになりますが、情報ネットワークと非常に相性が良いと思います。その意味では、銀行はもっと情報武装化して行くべきなのですが、大手銀行になればなるほど、いままでの慣習に捉われてなかなか新たな取り組みが出来ません。


その様な中での横浜銀行の取り組みは目を惹くものがあります。情報技術を自在に活用していることもそうですが、上手く「情報」を自らのサービスに結びつけているところに面白みがあります。自らの事業の価値を高めるばかりか、お客様の利便性を高めるという意味においては、社会的な価値をも充分に満たしています。


今まででしたら駅に自前のATMを設置するという考えになると思いますが、駅の券売機をATM代わりに活用すればコストも大幅に逓減することが可能でしょう。また、スタートアップ企業にとってのお客様からの受注債権を担保として評価することも、今まででしたら商品を引き渡して売掛金にならなければ担保価値を見い出せなかったので斬新です。


何れのサービスにも共通していることは、①情報技術を活用していること、②異業種との連携であることです。この二つのキーワードは、今回の横浜銀行の取り組みに拘わらず、あらゆる企業の今後の新規事業や新商品を創出して行くにあたっての要になると思います。今まで蓄積してきた社会の資源を活用して組み合わせていく。


そして、それを実現するためには詰まるところ個人の発想力に負うところが大きいと思います。この様な社会を実現することによってユビキタス社会(=いまの言葉で言い換えればIoT社会ということになるのでしょう)がやって来るのでしょう。広い意味でのネットワーク社会が現実のものとして其処まで来ています。


銀行の融資業務のコアノウハウである「目利き力」も、ネットワーク社会の下ではアウトソーシング出来る時代かもしれません。各銀行が蓄積してきた目利き力をノウハウとしてデーターベース化することが出来れば、それを外部に委託して広く融資営業をして貰うことも可能になるでしょう。情報社会は様々なことを塗り替えていくものです。


今日もありがとうございます!
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