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変わる銀行!

皆さん、おはようございます!
リーマンショックから10年経過して、いまだ実体経済と両輪であるはずの金融経済が突出し過ぎてしまっており、限界を感じている方も多いでしょう。行き過ぎた資本主義にもようやく少しずつ人の顔が見えるよう変わりつつあるように思えます。



投機的なマネーゲームの末に巨大なバブルが崩壊した経験を2度持つのは日本だけかもしれません。1990年代のバブル経済は、日本発の土地神話崩壊による金融再編に繋がり、長期間にわたるデフレと低成長に陥っています。その後、2008年の米国発サブプライムローン問題に端を発したバブルの崩壊は世界経済を日本化させています。


この2度に渡るバブル経済の崩壊が意味するものは、利益だけを追い求めた効率至上主義が実体のともなわない経済を生み出してしまったことだと思います。本来、経済とは利益の追求とともに社会の課題を事業を通して解決するといった、より人間的な生活に資するものであるはずです。


ところが、その様な経済からお金(=金融)の部分だけが独り歩きをはじめてしまい、生活の中に根付いていた関係性が切り離されてしまったといっても良いと思います。お金が短期的な利益を求めて猛威をふるってしまい、お金がお金を生む異常な世界へと突入してしまったことが根底にあります。


実体経済の方も、右肩上がりの成長神話が終焉を迎えているにも拘わらず、バブル景気が経済の実力であると勘違いしてしまったところに問題があります。そして現在に至り、情報技術革新という時代の大きなうねりの中で各企業はイノベーションの必要性を理解する様になっています。


日頃、感じますのは、バブル経済崩壊により痛い思いをした金融や企業財務(=ファイナンス)が未だ利益追求と効率性ばかりを追い求める名残が完全に消え去っていない様に見えるところです。ファイナンスの世界であっても、これからの社会に必要とされる事業や経済性と社会性を兼ね備えた事業にお金が回るべきだと思います。


いまの時代であれば、スタートアップ企業や後継者のいない中小企業に金融機関がリスクをとってもっと融資すべきだと思います。政策金利の低め誘導により、どの金融機関も収益性が大変に厳しい状況になっていることは否めません。だからといって、いつまでも委縮してリクスを回避してばかりいては、金融機関本来の目利き力が育って行きません。


その様な中で、銀行の融資業務における新しい試みが目に留まりました。一つは、未上場のスタートアップ企業に対してメガバンクをはじめとする銀行数行が融資を行う様になってきたことです。スタートアップ企業の資金調達といえば、ベンチャーキャピタルや事業会社への新株発行が主流です。


株式公開を前提とする為、スタートアップ企業はその為の高いコストと時間を費やさねばならず、落ち着いて事業に専念することが出来ないという問題を孕んでいると言えます。
マイナス金利で運用難に悩む銀行は、成長企業を将来有望な顧客として取り込みたい思惑が一致したということが出来ます。


もう一つは、メガバンクでははじめてみずほ銀行が、インターネットを活用した中小企業向けオンライン融資事業に参入することです。いままでメガバンクは、信用力や担保・保証が不充分な中小企業に対しては、仮に事業の価値が高くとも融資を行わないという問題がありました。


メガバンクにとって、中小企業は手間ばかりが掛り、融資の際の信用力が低いことから採算性に見合わないと考えられていました。ところが、このオンライン融資によると会計ソフトや電子商取引、SNSに集まる口コミの評判などのデータを自動で幅広く集め、決算情報だけでは分からない企業の将来性を見極めるシステムを利用するそうです。


銀行による何れの取り組みも、いままでの常識では考えられなかったことですが、スタートアップ企業や中小企業へ資金が還流しはじめるという意味では、実行性はともかくとして評価できると思います。銀行の利益の源泉である事業に対する目利き力が、特にメガバンクの中小企業に対する目利き力をどう高めて行くかがポイントになるでしょう。


ただ単に将来的な売上や利益が増やして行くことばかりに目を奪われずに、それ以前の問題として、スタートアップ企業や中小企業であっても社会に受け入れられる公器であることを忘れてはなりません。バンカー足り得る前に、一人の生活者としての視点をもってお客様と接することも必要です。銀行はそんな目利き力を醸成していくべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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