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情報生活産業セコムの強さ!

皆さん、おはようございます!
日本の経済を支えてきた製造業が情報技術革新の波により岐路に立たされています。
工業化大国を目指し、いまの日本の繁栄を現実のものとしてきた功績は大きいと思います。これからの時代の情報サービス産業のあるべき姿とはどの様なものでしょうか。



セコムは、情報技術を駆使した機械式警備で今の地位を揺るぎないものとしています。
そんなセコムが国内市場だけではなく、日本式警備の海外輸出に力を入れ、世界で22拠点目となるトルコへの進出を決めています。トルコは、近年の経済成長が著しく、進出する日系企業も5年間で197社までに倍増しています。


人件費の高まりや、工場の厳格なセキュリティ体制が求められる様になってきていることが日本式機械警備によるトルコ進出の背景となっているようです。地元財閥と合弁会社を設立し、オフィス、小売店、工場などの法人へ、センサーやカメラを活用した警備を手掛け、将来的には家庭向けの市場にも参入する計画です。


セコムは余り知られていませんがM&Aにも積極的で、市場を購入する水平展開のM&Aというよりも、将来的な事業展開に必要な機能としてのインフラ事業をM&Aする玄人受けする戦略が明確な企業という印象があります。また、核となるセキュリティシステムは自社の総合研究所で開発を行う、なかばメーカー機能を持ち合わせた企業でもあります。


そんなセコムの存在を世に知らしめたのは1964年の東京五輪の時に選手村の人的警備を手掛けた時です。創業はその2年前の1962年に湘南の酒類問屋の息子であった飯田亮氏と大学の同級生であった戸田壽一氏が警備会社をはじめたのが起源となります。それまでの警備は、どの企業も自ら警備員を雇っていた時代のアウトソーシングの走りです。


それから56年を経過して再び東京五輪・パラリンピックが開催されますが、今回は業界2位のALSOKなどとともに、先端技術を活用した機械警備により世界にその名を知れ渡らせることになるでしょう。いまの機械警備を考案したのは創業者の飯田氏であり、情報技術革新の先駆けということができると思います。


その当時から、人に頼った警備では先行き人材の確保やサービスレベルの維持に支障を来すことになることを見越し、電話回線を活用した機械警備の可能性を検討していた様です。飯田氏の凄い所は、その様な将来に向けた事業計画を自らの手で書いていたそうで、流石に商売人の息子として育っただけあると思います。


飯田氏の兄弟が居酒屋つぼ八、スーパーマーケットのOKストアなどの創業者であることは良く知られているところです。また、東急電鉄の創業家である五島昇氏とも交流が深かったようでして、様々な経営者としてのノウハウをこの五島氏から学ぶとともに、良くカジキマグロのトローリングへご一緒されていたというエピソードがある様です。


暮しの安心安全を提供する社会基盤を構築することを目的とするセコムは、法人や個人向けの機械警備以外にも、子会社を通じて病院事業、介護事業、在宅医療事業などの医療事業、損害保険事業、航空測量事業、不動産開発事業などを多角的に営んでいます。来るべきネットワーク社会で安心安全を司る基幹資源をグループ内に持っていると言えます。


核となる全ての企業をM&Aにより取得している訳ですが、非常に先見の明があると言わざるを得ません。後は、これらの資源を軸として如何に各個人宅をネットワークしていくかということだと思います。その為には、各家庭に設置しているセキュリティ用のコントロールパネルを来るべきIoT社会のゲートウエイとして行くかが鍵となると思います。


飯田氏も、今日の様な情報化社会を見越していたのかどうかは分かりませんが、1960年代に既にネットワーク事業を想像して布石を打って来たという意味では、単なるマネジメント型の経営者ではなく、非常にアート感覚の強い経営者であったのではないかと思います。いまの経済界を見渡しても、その様な経営者はなかなか見い出せません。


まだ見ることのできない将来の姿をイメージして、それを現実のビジネスの中に落とし込んで行くプロセスこそが、本来トップ経営者が為さなければいけないことだと思います。
現在のセコムは、飯田氏が描いた壮大なビジョンを具体化して行く最中にあります。医療領域も最後に残された聖域として、イノベーションが求められることでしょう。


飯田氏は既にセコムの役職から離れていますが、現経営陣にはそれを着実に遣り抜くことが求められているのでしょう。飯田氏が描いたビジョンを実現して行く為には、まだまだ時間を要すると思いますが、それだけ企業としての成長の余力がまだまだあるということになります。これからの時代に、楽しみな会社の一つだと思います。


今日もありがとうございます!
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