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モノは作らないパナソニック!

皆さん、おはようございます!
情報技術革新は、今まで築き上げてきた価値観、社会の仕組みをことごとく洗い流しはじめているようです。工業化社会の中に歯車として組み込まれていた「個」が解き放たれ、各々が自由に自らの欲求を満たしながら社会へ貢献して行くのが情報化社会です。



日本の経済を支え、工業化社会で生み出されてきた代表的な製品といえば、家電、クルマなどが思いだされます。高度経済成長期には製品を作れば飛ぶように売れる時代を経験し、バブル経済崩壊以降も優れた機能を追い求め続け、過剰なまでの品質に裏付けられ高級品となったハードウエアも、いまでは消費者から見向きもされなくなっています。


ネットで検索をすれば、その製品の機能や使い勝手が一目瞭然に理解でき、どう考えても日常使用するにおいて必要のない製品の仕様に消費者が持て余してしまい、それが割高な費用対効果に繋がっていることに、ようやくメーカーの経営幹部が気付き始めています。移り変わる個客一人ひとりのライフスタイルや欲求に応えて行く必要があることを。


これからのイノベーションは「情報」を軸に動いて行きます。それはIoT(モノがインターネットにより繋がり自動制御される)に見るように、ハードウエアそれ自体の機能というよりも、生活者が望むように各々のハードウエアが連動しながら自動制御され動くという意味で、それを駆動させるソフトウエアの重要性が格段に高まります。


そのソフトウエア自体、クラウド技術の進展によりハードウエアに組み込む必要が無くなります。クラウドとは、個々のハードウエアを駆動させるアプリケーションシステムをその中に組み込むことなく、サーバー内に置くことにより、サーバーと通信で情報を遣り取りすることによりハードウエアを駆動させる仕組みです。


その様な仕組みが社会一般的に汎用化されますと、今までの「製品」の持つ概念が異なってきます。ハードウエアよりもソフトウエアの方が重要となり、製品は単なるマシンとしての端末に過ぎなくなります。高性能な端末よりも、人とのインターフェイスとしての使い勝手が重要になってきます。必ずしも高付加価値な製品である必要がなくなります。


むしろソフトウエアの機能を高めていくことが最重要課題となります。製品をグレードアップさせるのではなく、ソフトウエアをアップデートしていく必要があるのですね。
これは、CASE(=つながるクルマ、自動運転車、カーシェアリング、電気自動車)で先行するクルマだけではなく、家電製品をはじめとしたあらゆる製品に言えることです。


これらの事に気付き始めたのがトヨタ自動車に続き、パナソニックです。パナソニックの津賀社長は、今までのようにメーカーの独り善がりな高級・高機能を追求するモノづくりを止めることを明言しています。理想はハードウエアは作らないファブレスメーカー(=商品の企画開発・品質管理のみで、生産は外部企業に委託すること)を目指すそうです。


パナソニック自身がソフトウエア開発企業になるか、先行するソフトウエア企業と連携することにより新たなパナソニックに変革していかないと、10年後のパナソニックは存続していないとまで言及しています。ただし、津賀社長ご自身は将来に対する危機感は持っているものの、長年培ってきた企業風土を変えられるかが大きな課題のようです。


社内には未だパナソニックは潰れないという漫然とした幻想が蔓延っているようです。
それを変革していくことが社長の役割であることを再認識しているようでもあります。その様な企業文化を打ち砕く為に、最近、パナソニックではOB社員を積極的に呼び戻し、要所要所のポジションに登用しはじめています。


日本マイクロソフト元社長の樋口泰行氏が常務執行役員としてカムバックしたことは有名な話しですが、それら再雇用された人財に共通しているのは「ビジネスモデル」を語ることが出来る人々であることです。既存事業は人口減少などの変化にさらされ急激に成長が見込めなくなる中で、既存の人には想像力が乏しいというジレンマがあるようです。


情報技術を活用したビジネス化については、やはりGAFA(=グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が先行していることは否めません。以前もブログで触れましたが、彼らもハードウエアに触手を伸ばさざるを得ませんが、簡単に生産技術を手中に納められないので、やはり将来的には連携若しくはM&Aということになると思います。


パナソニックが独自でどこまで情報技術をキャッチアップ出来るか分かりませんが、現実的に考えればGAFAの様な企業群と連携して行くことが現実的な様にも思えます。
これからの時代、業界の垣根を超えた企業同士の連携が不可欠になっていくと思います。
それに乗り遅れないよう、企業文化のイノベーションを進めておく必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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