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職住接近による経済循環!

皆さん、おはようございます!
首都圏に企業が集中し、自宅からの痛勤時間は1時間~1時間半が普通で、もっと時間をかけている方も多いと思います。私たちは、この様な日々の暮らしをあたり前の様に受け入れてしまっていますが、これも一時期の通過点に過ぎないのではないでしょうか。



東急電鉄がホールディングカンパニーとなり、本業である鉄道事業を子会社化する発表がなされています。これからは、人口減少下、先細りする鉄道事業を事業の中心に据えるのではなく、その沿線の不動産開発事業によりグループの屋台骨を支えていくことを表明しています。時代にあわせて、新たなかたちの街づくりを行っていく意向です。


東急電鉄の発祥は、時代を遡ること1922(=大正11)年9月2日、目黒蒲田鉄道株式会社(=現在の目蒲線)を開業した時に始まります。その創業母体は、101年前に実業家の渋沢栄一が設立した田園都市株式会社です。国土開発構想の中で、産業基盤を首都圏に集中させて、自然豊かなベッドタウンを郊外に造るという考えに端を発しています。


振り返ってみれば、その田園都市構想もわずか100年しか経っていないにも関わらず、
人口減少、少子高齢化というわが国の動態人口の変化により、当時、若い世帯が移り住んだベッドタウンも高齢化が著しく、空き家が増え、坂道の多い街は高齢者にとって住み難い街へと変貌してしまっているようです。


また、東急電鉄の玄関口である渋谷は、東横線と地下鉄副都心線の相互乗入と駅舎の地下化により、乗客が渋谷で途中下車せずに素通りしてしまう現象も顕著になっているようです。それを食い止めるべく東急電鉄では、渋谷駅周辺を大規模再開発を進めており、今後、渋谷スクランブルスクエアをはじめとする大規模ビルの竣工が目白押しです。


2022年までの5年間で1350億円を投じる100年に1度の大開発も終盤を迎えているようです。渋谷という街は東の東急と西の西武が覇権争いを繰り広げ、いまの街が形成されて来た歴史があります。ところが2000年代初頭の西武の没落により、今では東急村という街が新たに形成されつつあります。


そんな東急電鉄ですが、渋谷を起点とした沿線開発において従来の田園都市開発構想を見直し、新たな時代に相応しい本来の田園都市開発を進めています。先の高齢化し住み難くなってしまったベッドタウンについては、新たに沿線の駅前に高齢者用のマンションを用意して住み替えを促進しています。


残ったベッドタウンについては、職住接近型の新たな街の再開発を行い、若い世帯に流入して貰う計画です。一つの成功例が2015年に開業した二子玉川ライズです。住宅のみならず、商業施設、オフィスをバランスよく配した街を形成しています。そこに楽天が入居していることは有名ですが、周辺に住む社員が増えているそうです。


楽天では、片道15Km以内に住む社員には自転車通勤を奨励する程です。自転車通勤でも、定期代の半額を支給している様です。楽天のように最近では都心から郊外に移転する企業が増えています。一昔前の企業城下町ではありませんが、職住接近した街づくりは、そこで働く人々にとっても、地域経済形成の観点からも望ましいものと思います。


以前の田園都市構想による郊外のベッドタウン化では、住民が高齢化してしまいますと、街の活力も減退してしまいます。一方、職住接近型の田園都市であればヒト、モノ、カネがその地域で循環するため、自立した地域を形成することが可能となりますので、それだけ地域に活力を持たせることが出来るようになります。


東急電鉄としては、二子玉川ライズでの成功を踏まえて、南町田駅と商業施設グランベリーモール跡地を再開発し、南町田グランベリーパークを今秋に開業させる予定です。
また、働き方改革によりテレワークを活用して仕事をする人が増えていることを受け、
田園都市線沿線に直営のサテライトオフィスを展開しています。


痛勤ラッシュを避けたい人や育児や介護で働き方に制限のある人が利用しているようです。マンションの低層部には、子供を預けて働けるコワーキングスペースも開設しています。それ以外にも、MaaS(=モビリティ・アズ・ア・サービス)などの実証実験も始まっており、様々な街の機能が充実しつつあります。


今までは都心部のオフィスで働くことがあたり前の社会でしたが、私たちの暮しを軸に街をデザインし直すと住宅地とオフィスが混在した街で働くことがこれからの時代のあるべき姿かもしれません。地域に仕事が存在することが経済循環に欠かせません。これも生産者と消費者が再び統合されつつある現象の一つかもしれません。


今日もありがとうございます!
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