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ネットに挑む小売業!

皆さん、おはようございます!
アマゾンエフェクトの大波が押し寄せ、徐々にリアル店舗を持つ小売業の業績に影響を与えつつあるようです。業態によりネットから受ける影響に格差が生じていますが、どの様にすればネットに対抗できる新機軸を打ち出すことができるのでしょうか。



小売業界で業績の業態間格差が浮かび上がっています。小売主要企業の2018年度の業績見通しをみると、ネット販売(=EC)への抵抗力で明暗が分かれて来ている様です。リアル店舗の魅力を磨いてネットへの抵抗力をを高めたり、ネット販売との相乗効果を追求したりする取り組みが欠かせなくなっています。


ドラッグストアは、主要10社中9社が増益見通し(=増益割合9割)でネットの影響をあまり受けていないと言えます。これは、多岐にわたる取扱品目の中で食品の値下げで集客を行い、医薬品や化粧品など利益率の高い商品で稼ぐ戦略を取っている為です。もともと食品や医薬品・化粧品のネット販売比率が各々2.4%、5%と低いこともあります。


生鮮食品は輸送コストが高くつくため、また化粧品も店頭で試してみる必要からネット販売に適しておらず、何れもリアル店舗ならではの需要が根強い商品だと言われています。例えば、食品スーパーでは、献立提案を行い消費者の手間を省くことなど、消費意欲を刺激するリアル店舗ならではの魅力づくりも功を奏しているようです。


一方、米アマゾンが高級スーパーマーケットの買収を行い、生鮮食品をネットで注文してリアル店舗で受け取るサービスを模索しています。商品の輸送上の課題を解決する方法として食品スーパーも安閑としていられません。仕事帰りに近くのスーパーに寄って受け取ってくることも可能でしょう。


例えば、食品販売に関してネット業者がクックパッドなどと連携して、その日の消費者の気分から毎日の献立を選んで確定ボタンを押すと、そのまま材料がネット通販を通して注文されるということも可能になると思います。
苦戦しているのが、家電量販店、総合スーパー、アパレル、百貨店といった業態です。


ネット販売比率30%を超える家電量販店では、リアル店舗はショールームと化し、お客様はリアル店舗で品定めを行い、実際の購入はネット販売で行うことが常態化しています。増益割合が6割まで落ち込んでいます。家電量販店では自社のネット販売に力を入れており、ネットとリアルの相乗効果を追求する戦略に傾注しています。


アパレルは、ネット販売比率が11.5%と二桁を超えてきており、増益割合も5割にまで低下しています。そのアパレルの不振に影響されているのが売上の3~4割をアパレル販売に頼る百貨店です。百貨店の増益割合は4割を割り込む寸前となっています。ZOZOなどネット販売の新興勢力の攻勢に侵食されつつあります。


経産省によりますと、2017年のネット販売による市場規模は8兆6千億円に達しており、3年間に3割増えているそうです。ユニクロやイオンをはじめとするリアル店舗を持つ小売業もネット販売に力を入れ始めており、これからもネット販売による市場規模はますます増えていくものと考えられます。


ネット販売にそぐわないと考えられる商品を扱っているリアル店舗も慢心出来ない時代が遣って来ています。そこで必要なのはネットとリアルが歩み寄ることでしょう。
消費者も全てが全てネット販売を利用する訳ではなく、時と場合に応じて買い物を楽しみたいと思うこともあります。その為に魅力的なリアル店舗創りも欠かせません。


その為には、小売業も卸売業任せの商品仕入れから脱却して、自ら魅力的な商品を探しに行くことが必要でしょう。ネット販売のみならず、逆にネット仕入という未開拓の地に足を踏み入れることも必要でしょう。いま消費者が求めているのは既製品ではなく、手づくり感のある自分ならではの逸品です。それを探す仕組みとしてネットを活用すべきです。


これからの時代、アパレルの分野でも能力の高い人は、独立して自ら生産消費者(=プロシューマ)としてモノを生産する様になります。その様な商品を集める仕組みとしてネットワークを活用しない手はありません。ネット通販に莫大な投資を行いはじめた大手小売企業ばかりでなく、中小小売業であってもこのネット化は避けては通れないものです。


ネットワーク社会は、リアルがあって始めて威力を発揮するものです。ネット業者にばかり気を取られていないで、自らのリアル店舗の魅力づけと、ネットとの融合が一つの要点だと思います。ネットワークについては、個々の企業毎に投資を行っていては効率が悪いので、総合商社などが業界としての枠組みを提供して行くべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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