誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

鉄道高架下の個商い!

皆さん、おはようございます!
まちに人が戻り、再び地域に活力を取り戻す為には、そこに新たな仕事を創ることです。
個人であろうと法人であろうと新たな事業=仕事を創り上げることが不可欠となるなかで、仕事と事業の境目がない社会が望まれるのではないでしょうか。



中央線のJR武蔵境駅(=東京都武蔵境駅)からJR国立駅(=東京都国立市)までの間が高架線になって何年が経つであろうか。2012年には高架する事業が終わっていますので今年で早7年目になります。それまでこの区間は、踏切が多く交通渋滞や事故が多発する地域であったと思います。


今ではその様な社会問題も解消されましたが、逆に鉄道の高架線下は一般的に人毛のない危険なイメージのある地域として、人々が近寄りがたい場所だったのではないでしょうか。地域の中にその様な場所があることは、まちづくりという点においてその高架線を境に街を分断してしまい、人間に圧迫感を与えるものとして捉えられています。


この武蔵境駅から国立駅までの高架区間は見事なまでの直線で、鉄道高架下の両側には側道が敷設されています。ところが今ではJR東日本の「ののみち」構想の下、高架線下にCafe’、地元野菜のマルシェ、地ビール醸造所、インキュベーション施設、保育園、クリニック、広場などが立ち並びつつあり、装いを新たにしています。


お店に面した側道は、遊歩道さながらふらっとお店を見ながら時間を忘れて散歩するのに打ってつけのまちの趣きを醸し出しています。直線距離にして12Kmもあるかと思われる遊歩道は、全てが完成している訳ではありませんが、ののみちサカイ西、ののみちヒガコ、ののみちクニタチ西として延伸していますので何れは街として繋がることでしょう。


このののみちを歩いていますと、まちづくりの考え方が伝わって来ます。同じJR東日本が運営しているアトレやルミネといった商業施設とは異なり、テナントはナショナルブランドなどを誘致している訳ではなく、どちらかと言いますと地域に密着した街の機能を地域の人々によって運営して貰う、地産地消型の場所を提供しているという感じです。


シェアキッチン、コワーキングスペース、インキュベーション施設などを多く配しているところを見ますと、地域内に都合のよい時に小(=個)商いを営みたいという人々が増えているものと推測されます。この個商いが仕事と事業の分水嶺だと思いますが、無理なく自然体で仕事=事業ができるという意味では、これからもっと増えていく様に思えます。


個商いは商品の供給者と需要者という二律背反な境目がなく、供給者も方や生活者(=消費者)であるという点において、お客様と目線が同じであるため、親近感が湧いてくると思います。それがののみち全体がマルシェの様な雰囲気を醸し出しているのではないかと思います。街中の昔ながらの商店街にも、きっとその様な心地よさがあったのでしょう。


今の時代、経済合理性、規模の経済を追い求めるがあまり、商品を生産する人と商品を消費するひとという分業が極まり過ぎているように思います。私たちの処し方からみれば、ある時は消費者であり、ある時は供給者という立場を使い分けていますが、本来はその両方を境目なく持ち合わせる生産消費者(=プロシューマー)という存在も必要でしょう。


これからの時代、企業に偏重してしまった働き手がプロシューマ寄りに移動してくるのではないかと思います。製品やサービスを提供する楽しさを実感できるからです。例え企業の中で働く場合でも、このプロシューマ的な働き方が企業にとっても不可欠となってくることでしょう。新たに事業を起こすことを考えた時の原点だからです。


高架線下に生まれた空間の活用は、実は戦後間もなくより見い出すことが出来ます。明治末には東京、有楽町などに煉瓦造りの高架が完成していますが、戦後は上野などにヤミ市として活用され、いまもアメ横、新橋、新宿にはその名残があります。時代がタイムスリップしていますが、情緒溢れるその界隈性に人々が吸い寄られています。


また、高度経済成長時代の路線の複々線化などで高架下が広がり、スーパーや居酒屋が入居しており、都心の通勤者の生活を支えています。経済の近代化にともなう、空間の効果的な活用方法が考えられ、駅と一体となった商業施設として地域になくてはならない存在として今も私たちの生活を支えています。


そして新たに生まれつつある高架下の空間活用です。高架下ひとつ取ってみましても、時代の変遷とともに必要とされる商業施設=商いが確実に変化しています。画一的なマスマーケットを尊ぶ時代を走り抜け、再び多様な個性が尊ばれる時代へと移りつつある様に思います。これも情報化社会のあるべき姿なのでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する