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消え行く書店ビジネス!

皆さん、おはようございます!
昨日、帰宅したのが久しぶりに午前様となりました。
以前、お取引をさせて頂いておりました名古屋の会社様の懇親会に参加させて頂きまして、大いに盛り上がりました。本来、部外者でありながら、本当に嬉しく思います!



日本の書店数の減少に歯止めがかからないようです。
この10年間で3割弱の書店が閉店し、全国で書店が1店舗もない自治体が2割にも達すると言うから驚きます。良くよく考えてみますと、長年、書店に行く回数は減ってはいないものの、実際に購入するとなるとネット通販が圧倒的に多くなっています。


東京六本木エリアを代表する青山ブックセンター六本木店が今月で38年の歴史に幕を下ろします。アートやデザイン関連の特色ある書籍を取り揃え支持を集めていたにも拘わらず残念です。その他にも、紀伊国屋書店新宿南店の減床、神保町の岩波ブックセンター、渋谷のブックファーストなど地域を代表する書店が姿を消します。


書店に行けば、情報の宝庫で知的好奇心をくすぐられ、一日居ても飽きない経験を誰しもがお持ちだと思います。様々なタイトルの書籍が目に留まり、自身に蓄積されていた知識にインスピレーションが走り、新たな知的可能性を検証するが如く、次々と書籍に手を伸ばし、食い入る様に頁を捲ってみたりしたものです。


本棚にうず高く積まれた書籍の中から、お目当ての書籍を選びだすプロセスが面白いのかもしれません。その書店の機能自体は今でも健在であり、書店によっては椅子を置いていたり、Cafe’が併設されてあったりと、書店でのんびりと寛げるようなお店作りとなっているところが増えています。集客数は増やせますが、採算に合うかは分かりません。


最近の書籍の買い方と言えば、例えばアマゾンで気になる本のタイトルを検索(=若しくはキーワードで)して、その本に記載されているアウトラインを確認して、カスタマーレビューで評価を確認し、自分の思っていたような書籍なら購入するというプロセスが多いのではないでしょうか。


確かにネット販売は、書籍購入には適していると思います。早ければ、その日のうちに配送までされて参りますので。ただし、書店のそれは、ただ単に書籍を買い求める以外の精神的に満ち足りたものを求めている様な気がします。図書館でも同じ様な効果を得ることが出来ますが、違いは新刊本を中心に取り揃えているかどうかでしょう。


この出版、書籍業界はネット通販がここまで興隆を極める前から構造的な不況を抱えていました。若者の活字離れ等が取り沙汰されていますが、それ以外にも再販価格制度という、書店は出版取次店を介して仕入れていた書籍を一定の条件下でいつでも返品できる事業構造を持っている業界です。


当然に、出版社、出版取次店は、その返品を加味して書店との販売価格を決めて行きますので、その返品分の損失を予め書店への販売価格に反映させる必要がありますので、書店での利幅が小さくなってしまいます。諸外国と比べても書籍の価格が相対的に安いので、なおのことであり、そこへ物流費コスト引上げによる追い打ちが掛かっている訳です。


業界内では、この悪しき慣習である再販価格制度を見直し、また書籍単価の引き上げが議論されているようですが、書籍のデジタル配信に対する恐怖心がある為、なかなか実現しないのが現実の様です。本当に心に残る思い出の一冊は、読んでおしまいではなく、自分の本箱に入れて仕舞っておきたいのが人の常というものでしょう。


最近のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(=CCC)を見ていますと、出版社を買収したり、同業の書店を積極的に買収しています。TSUTAYAの進化系であるT-SITEシリーズは、お店のマーチャンダイズが全く異なっており、ライフスタイルに合わせて雑貨やアパレル、書籍を陳列しています。


そのあいま合間には、コーヒーを飲みながら会話のできるスペースを設けており、完全にお客様の立場に立った店創りだということが出来ます。また、胡桃堂書店の様に出版・書籍販売併設Cafe'というお店も増えています。書籍は、グーテンベルクによる印刷技術革新により、それまでの写筆から大きく市民の文化レベルが上がった歴史があります。


これからの時代、必要な書籍はWebで合理的に購入するということになるかもしれません。一方、文化的な意味が大きい書籍については、単なる情報源としてではなく、暮らしを彩るコトとして消費プロセスを楽しんで行くことでしょう。その時の書店は、書籍を販売する店ではなく、文化を提供する店として新たな一歩を踏み出すのでしょう。


今日もありがとうございます。
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