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鈴与HDがスカイマークの筆頭株主に!

皆さん、おはようございます!
コンサルティングというポジションが嫌いです。言動に責任がありませんし、何か問題が生じればさっさと逃げて行く、最初から逃げられる様な道を残しながら仕事をする姿勢に疑問を持たざるを得ません。お客様の利益よりも自分たちの利益を優先するのが実態なのです。



投資ファンドのインテグラルは、保有する航空会社スカイマーク株式の一部を鈴与ホールディングス(=HD)に売却することを発表しています。鈴与HDはスカイマークの発行済み株式の13%を保有する筆頭株主となります。鈴与グループは空港の地上業務でスカイマークとの取引きがあり、株式を取得した後に両者間の取引拡大に意欲的になっている様です。


11月中にインテグラルが鈴与HDに市場外の相対取引で売却する予定です。売却価格は1株895円(=売却総額は70億円)と市場でのスカイマーク株式1000円より1割程度低い価格となっています。インテグラルの保有比率は16.58%から4.86%に低下し
、第5位株主となります。インテグラルにとって投資資金の回収の一環とみられています。


鈴与グループは、宮城県や沖縄県でスカイマークの空港地上業務を担うグランドハンドリング(=グラハン)を請け負うなどこれまでも協業関係があります。インテグラルから株式譲渡の打診があった際、グラハン業務の拡大などシナジー効果が生まれると判断したとされます。鈴与グループは航空事業も営んでおり将来的にはそれ以外も企図しているのでしょう。


スカイマークは2015年に大型機への巨額投資などがあだとなり経営破綻した経緯があります。50.1%を出資したインテグラルやANAホールディングス(=HD)がスポンサーとなって再建し、2022年12月には東証グロース市場に再上場を果たしています。現在、国内12空港、23路線に就航(=コロナ禍でサイパン路線を運休する)しています。


スカイマークの第2位株主で約13%を出資するANAHDは、スカイマークの今後のますますの成長・発展につながることを一株主として期待しているとコメントするに留めています。スカイマークの2023年4月~6月期の単独最終損益は9億9300万円の赤字ですが、2024年3月期には前期比1%増の58億円もの黒字を見込んでいるとしています。


旅客数は国内観光需要回復で好調を維持していますが、燃料費や人件費の増加などが重荷になっているようです。全日本空輸(=ANA)や日本航空(=JAL)などのフルサービスキャリア(=FSC)と格安航空会社(=LCC)との間に位置する「第三極」を目指していますが、その差別化は中途半端でサービスの違いなどを打ち出せないでいると言えます。


そのせいか株価は年初来で3割下落しており、ANAHDの7%上昇やJALの4%上昇と比べると、その差が歴然としています。今般のインテグラルによるスカイマーク株式を鈴与HDに売却する事実は、いわば持て余しているスカイマーク株を早めに損切処分したいという本音が見え隠れしそうです。本来ならANAHDが引き受けるのが筋だと思うのですが。


確かに羽田から千歳便や福岡便という幹線発着枠は喉から手が出るほど欲しい路線だと思います。それでも取得に動かなかないANAHDは、それ以上のリスクを天秤にかけた結果だと思います。寧ろ、鈴与グループであるフジドリームエアラインとスカイマークが何らかの形で経営統合した後に、その後の新生エアラインと連携した方が得策と考えたのでしょう。


今日もありがとうござます!
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