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企業価値議論!

皆さん、おはようございます!
損益分岐点売上高の算出は財務における基本かもしれません。ただし、それを求める公式に偏っているため、その売上高を超えないと利益が出ないことが理解できても、その算出プロセスを理解していない場合が多いです。そんな時、変動損益計算書を使用すると便利です。



株主の立場から企業の経営や財務戦略など、様々な注文をつけるアクティビズム。セブン&アイ・ホールディングス(=HD)の株主総会は、日本企業がいかにアクティビスト(=物言う株主)と向き合うべきかを示す一つの事例を示しています。セブン&アイHDによれば
、米有力ファンドのバリューアクト・キャピタルと初めて接触したのは2020年11月。


30回以上に渡る対話の中で問われたのは、百貨店やスーパー、コンビニエンスストアなどを複合的に経営することによる株主価値の毀損「コングロマリットディスカウント」だったそうです。確かに資本の論理によると、規模の経済を追求することが唯一企業価値を最大化させる方法であるという幻想に溺れてしまいがちですが、私は必ずしもそうは思いません。


短期的には企業価値を高めることが出来ても、いずれ市場が飽和してしまい、やがてそれまで築き上げた店舗網が重い足かせとなってしまうでしょう。まだ、緒に就いたばかりの市場であるなら理解できますが、市場が既に成熟している中では、現在の事業資源を縦横無尽に再構築して新たな業態を開発することが、急がば回れではありませんが近道だと思います。


セブン&アイHDの井阪社長は「食」を中心に据えたグループ競争力の向上を株主に訴えかけ、賛成率76%を獲得し再任を果たしています。メディアの取材を通じ「食」戦略を進めるためにはスーパーの人材や開発力が不可欠だと主張して功を奏した形です。それにしても執拗なアクティビストからの狙い撃ちに、よくぞ逃げず信念を貫き続けたものと思います。


一大流通企業グループの経営を担う責任者として、未だ見ることのできないグループ企業の将来を見据えて行くことは並大抵の精神力では出来ることではありません。付け焼刃の思いつき発想では、アクティビストから見抜かれてしまい論破されたことでしょう。どんなに大きな企業グループの経営者であっても、最後は一人の人間であることに変わりありません。


企業グループのビジョンを描き出していく以前に、人間個人として生きる信念を自分自身で十分に理解している必要があり、そこから得られた価値観を貫き通す程の熱い思いがなければなりません。ただし、大手企業の場合は経営戦略を経営者自らが考えなくとも、優秀なスタッフが支えてくれます。その点ではビジョンに魂が籠らなく成りがちな点が否めません。


その意味では「食」を中心に据えた競争力の向上とは言いましても、確かにセブンプレミアムというプライベートブランドパッケージの食材をセブンイレブンのみならず、イト―ヨーカ堂の食品売り場で販売していますが、それだけで競争力が向上するとは到底考えられません。食の分野ほど嗜好性の強い商品はありません。もっと多様化に応える必要があります。


そこまで食に拘るのであれば、セブンイレブンとイト―ヨーカ堂の食品事業を機能別に再編する、小売りから食品メーカーを創出しても良いでしょう。店舗運営については、商業デベロッパー視点を採り入れ、もっと店舗全体の付加価値が上げるような施策が必要ではないでしょうか。それを自ら考え抜いていくことこそが、経営者に求められていることでしょう。


今日もありがとうございます!
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