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道徳銀行!

皆さん、おはようございます!
生産の4要素と言えば、ヒト、モノ、カネ、そして情報であることに疑う余地はないでしょう。これまでに傾注してきたことは、そのうちモノとしての不動産やカネのマネジメントであったと思います。最近では、ヒトの能力を最大限発揮することに興味があり深めてます。



近代銀行の祖といえる渋沢栄一翁が唱えたのが「道徳経済合一」という哲学であり、道徳銀行がその神髄です。収益は結果であり、顧客の悩みに応えれば収益は頂けるという考え方です。目先の利益に目がくらんで経営を傾けた1990年代の日本の銀行はこうした理念ををざなりにしていたのではないかと思います。悪戯に銀行同士を再編すれば良い訳ではない。


渋沢一が銀行制度の創設時に提唱したのが株式会社の金融機関である。株式会社である以上
、収益追求するのは当然ですが、地域のための金融機関に徹することが中長期的には銀行の成長に結びつくという渋沢の教訓を見失っている様に思えてなりません。そんな道徳銀行を地で体現する銀行があります。それはりそなホールディングス傘下の埼玉りそな銀行です。


2003年5月に実質国有化が決まり、りそな銀行はピーク時に最大3兆1280億円もの公的資金が入っていた経緯があります。それとタイミングを同じくし、埼玉りそな銀行が営業開始しています。傘下のあさひ銀行(=旧協和銀行と埼玉銀行が後に合併)と大和銀行を合併させる際に、わざわざ埼玉県だけを銀行分割という手法で切り出した経緯があります。


あさひ銀行の前身の一つである旧埼玉銀行は規模の拡大を追求してきていますが、地域の銀行として原点に立ち戻ることにしています。それから20年余りの期日が経過し、営業区域を県内に絞った結果、中小企業(=個人を含む)などへの融資残高が2004年3月期を境に増加に転じ、発足時から現在までに6割近くも増えていたとは正直に驚きを隠せません。


りそなグループの一員としてシステムなどを共有できるので、営業経費は地方銀行が3割近く増えたのに対して、埼玉りそな銀行は6%増に留めているそうです。金融庁も、2003年から始まった「リレーションシップバンキング(=地域密着型)金融政策」がそれを後押しする格好です。日本の国内生産の6割が地方が稼いでいることが意外に知られてません。


ここを梃入れしなければ日本経済全体の成長は叶わないでしょう。地銀再編などを通じ自らの経営体力を高めても、地域経済を牽引する企業の資金需要をいかに掘り起こし、支えて行くかが必要となります。最近、埼玉りそな銀行の親会社であるりそなホールディングスが、身軽となった財務基盤を背景に様々な施策を打ち出しているのでご紹介したいと思います。


一つは地域金融機関との資本提携。もう一つは銀行と親和性の高いビジネスの買収や出資です。これまでりそなは独自に開発したスマートフォンアプリや、顧客がまとまった資金の運用を一任するファンドラップを地方銀行に提供して緩やかなつながりを求めて来た経緯があります。今後は、顧客基盤の拡大を見据えた、地銀との資本提携にも意欲を示しています。


また、リース事業や証券事業など銀行を補完するビジネスの強化も視野に入れているといいます。やはり公的資金が入って20年の節目に、攻めの姿勢をとるのは巡り合わせかもしれません。地方銀行の再編はこれからでしょう。ただし、それは規模の経済を追求する目的だけではなく、飽くまでの地域経済の為、その地域で事業を営むお客様のものである筈です。


今日もありがとうございます!
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