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コーポレートファイナンス!

皆さん、おはようございます!
日本でも政策的に投資を拡大しようという動きが出ています。それ自体は悪いことではないのですが、投資といいますとリスクとリターンという殺伐とした数字の世界をイメージしてしまいます。しかし、本来、投資とは結果を追い求めるのではなく夢を託すことでしょう。



コーポレートファイナンスの意味を調べてみますと「資金調達源、企業の資本構造、経営者が株主に対して企業価値を高める為に行う行動、および財源を配分するために使用されるツールと分析を扱う金融の分野です。コーポレートファイナンスの主な目的は、株主価値を最大化または向上させること」と、企業活動における資本の調達および運用と解されてます。


その目的が、株主価値を最大化または向上させることにありますが、それでは余りにもコーポレートファイナンスを学説的に体系立てた狭い世界に押しやっている様に思います。元々
コーポレートファイナンスはファイナンス(=金融)の一分野として、企業活動のあらゆる場面を想定して論理構成し直したものであり、リスクとリターンにより語られるものです。


リスクとリターンを金融工学的に合成することによって様々な派生金融商品(=デリバティブ)を生み出してきましたが、良くよく考えてみますと全ての金融商品のリスクとリターンの源泉は実業であることを忘れてはなりません。実際の事業の中で成功を収めるということは、ある一定の事業領域の中で他者より事業リスクに対する許容度が高いこと意味します。


それは、事業というものは本来、失敗するリスクが付き纏うものなのですが、その事業領域において長年の暗黙的な経験知を積み重ねることにより、失敗を未然に防ぐことが出来るようになり、他者に真似の出来ない商品を社会に提供することによって、そのリスクを取った対価として利益を享受することが出来るのです。リスク平準化こそが事業の目利き力です。


間違えてはいけないのは、ここでのリスク平準化とは金融工学のように複数のリスクのポートフォリオを組むことによってリスクを合成してその高さを変えることを意味しているのではありません。それは、あくまでも実業において、モノを製造したりサービスを提供すなど人間が商品を創出する過程で、いかに他者より上手く創出するかという人間的なものです。


昨今、ファイナンスの世界、特にコーポレートファイナンスの世界において、このことが忘れ去られている様に思えてなりません。確かにこれまでの時代は科学が大きく躍進したと思います。但し、科学とは人間が使うものであり、人間が科学に使われては意味がありません
。それだけ科学の進歩は目覚ましいのですが、科学を使いこなす人間的な側面が大切です。


どんなにAI(=人工知能)技術が発達しても、人間が持つ創造力に置き換わることはありません。だから、人類はいつまでも足元の社会を高度化、専門化させることばかりに目を奪われておらずに、これからの理想とする社会を思い描き出すことが求められているものと思います。それが創造力であり、それを実現していく中で暗黙の経験知を身に付けるのです。


その意味では、コーポレートファイナンスも、いつまでも企業価値を高めることばかりに目を奪われていないで、その方法論に新風を巻き起こすことが必要でしょう。結果としてのリスクにばかり囚われていないで、もっとリアルに人間の創造力や目利き力に焦点をあて、それを人間科学の世界から捉えてコーポレートファイナンスと融合してみては如何でしょう。


今日もありがとうございます!
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