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新生銀行が地銀と協調融資!

皆さん、おはようございます!
信金出身だから原点回帰している訳ではありませんが、中小企業の事業に関わらせて頂けることが何よりも幸せだと感じてます。元々、自転車で全国津々浦々駆け巡ってきた経験がそうさせているのかもしれませんが、地域の人々、経済、環境に飽くなき好奇心を抱きます。



SBIホールディングス(=HD)傘下の新生銀行が、地方銀行との協調融資(=シンジケートローン)を広げる方針で動き始めているようです。まずSBIHDが資本業務提携する仙台銀行や筑邦銀行などと協議に入るとしています。今後は、出資先以外の地銀にも広げ、これまで収益の大半を個人分野で稼いできましたが法人市場での存在感を高める計画です。


シンジケートローンは複数の銀行が協調して、企業やプロジェクトに融資する手法であり、幹事行が融資先と金利や金額などの条件をとり纏め、複数の銀行からなる「シンジケート団
」が融資契約を結ぶ形態のローンです。今回は、主に新生銀行が幹事行となり、事業承継や投資ファンドによる企業買収を扱う案件で地方銀行の参加を募る目論みを考えてる様です。


今後の展開として、新生銀行は自らのネットワークを生かし、東京、名古屋、大阪の三大都市圏等にもつ取引先との協業も視野に入れてるそうです。各地の中小地銀は地域1番手の銀行との競争が激しく、収益確保が難しくなっていることから、新生銀行と協力してシンジケートローンを提案すれば、従来引受けることのできなかった案件を獲得できると見てます。


新生銀行が幹事行を務めることで信用力が高まる効果も見込んでおり、地方銀行との二人三脚で資金供給を担えるようになるとの期待感もあるようです。新生銀行は、幹事行の手数料を得るほか、地方の顧客との接点を増やすことにも期待をしているようです。シンジケートローンでは地銀側に幹事行を依頼して、ノウハウを提供することも視野に入れてる様です。


元々、新生銀行の前身は日本長期信用銀行という我が国の戦後復興で必要な設備資金を支えてきた名門銀行です。バブル経済崩壊により1998年10月に経営破綻した後、ノンバンクなど個人事業に軸足を移してきた経緯があります。この結果、法人向貸出残高が1999年3月の約13兆円から、2022年3月には約4兆円にまで減ってきた経緯があります。


今般、再び法人事業を強化するのは買収先であるSBIHDが持つ地方銀行大連合構想と歩調を合わせる面も否めませんが、元来、新生銀行はシンジケートローンやストラクチャードファイナンス(=仕組み金融)のノウハウを持っていた訳であり、その後も細々ながらに再生可能エネルギーなどの分野で資金供給してきており、それをいま一度再興させる訳です。


但し、金融市場の変調や倒産増加に備えるなどの課題のほか、地方の企業へも対応のできる審査体制(=目利き力)を整える必要もあるでしょう。連携する地方銀行が地域の資金需要を着実に発掘していけるかも課題として残るほか、融資の増加にともなうリスク管理の重要性も一段と高めていく必要があるでしょう。ビジネスとして果敢に攻めて欲しいものです。


後塵を拝する地方銀行にとって新たな事業(=融資)機会を得るという意味で、新生銀行との取り組みは起死回生の機会だと思います。その先には地域のリアル経済を担う中小企業が存在することも忘れてはなりません。現在の地方銀行の姿勢を見ていますと、本当にお客様と向き合い親身に事業課題を解決しようとしているのか疑問が残らない訳でもありません。


今日もありがとうございます!
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