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三菱UFJ銀行の新会社!

皆さん、おはようございます!
人間それぞれ得て、不得手があると思います。それが個性に繋がっているのですが、それをチームで見たときに各人の得手の部分に着目して引き出していったら、チームとしての底力が高まるものです。一つの目的に対して最高のパフォーマンスを発揮するチーム編成です。



三菱UFJ銀行は企業の在庫を一時的に買い取り、在庫負担を軽減するサービスを始めるそうです。企業は必要な時にあらかじめ決められた条件で在庫を買い戻します。企業にとって在庫を長期間抱え続ける必要がなくなり、資金を効率的に使えるようになります。国内の在庫の規模は120兆円前後とされ、新たな資金調達手段として注目されるかもしれません。


三菱UFJ銀行は在庫の買い手となる全額出資の新会社「MUFGトレーディング」を立ち上げ、新たなサービスを始めます。企業はまず原材料の売り手と調達のための契約を結び、新会社は企業に代わって在庫を所有し、企業が必要なタイミングで在庫を売り戻す仕組みです。在庫の買い取り額と売り戻し額の差額が、新会社の収益として計上される仕組みです。


新会社では、半導体や鉄鉱石、小麦、トウモロコシを中心に幅広い在庫の買い取りを想定しています。新会社を使った取り引きが会計監査法人などに認められれば、企業は資産から在庫を切り離すことが出来る様になり、在庫負担を抑えながら在庫を確保できるようになります。三菱UFJ銀行は数年間で5000億円程度の取り引きにつながると見ている様です。


まずは国内の大手企業を対象に始め、中堅・中小企業や外国企業にも取引を拡大する計画です。昨年施行された改正銀行法で規制緩和が一段と進み、銀行が手掛けるビジネスの幅が広がってきたと言えるでしょう。全額出資の新会社が企業の在庫を抱えるため、銀行の連結バランスシートに取引先の半導体などの金融資産以外の在庫が計上されることにもなります。


株式を公開する大手企業の場合、会計上オフバランス取引として仕入製品をバランスシートに計上しなくて良いかどうかが、この事業の成功の鍵を握ると思います。取引の実態は、その対象となる在庫製品を買い戻さなければならないこと、また実質的に資金調達を代替する目的であることから、リース取引と同様にオンバランスすることが妥当のように思います。


それでも、大手企業ほど厳格な会計処理が求められない中堅・中小企業にとっては、資金調達ほどの煩雑な手続きが不必要であれば、一定の需要が認められるように思えます。一見、MUFGトレーディングは商社のようにも見えますが、飽くまでも派生的な金融サービスであることから、単に企業に与信を提供するだけでは新たなビジネスとして妙味に欠けます。


新会社は、一定の在庫製品に関するマーケットや相場動向についてノウハウを蓄積していきながら、特に企業より買戻し特約を獲らなくとも自らのリスクで在庫製品を調達し、販売するビジネスモデルとなれば、本当の意味での新規事業と言えるようになるでしょう。その時には、いっぱしの商社だということが出来ると思いますが、既存商社と競合するでしょう。


三菱UFJ銀行として、規制緩和の中で金看板となる新規事業を立ち上げる必要があったものと思いますが、事業というには少々面白みに欠ける銀行ならではのリスクを獲らない、与信というノウハウと潤沢な資金量のみを活かした机上のビジネスプランのように見受けます。これからのビジネスを考えるのならヒューマンキャピタルに着目しても良いでしょう。


今日もありがとうござます!
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