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社員の働きがいを役員賞与に反映する!

皆さん、おはようございます!
大手企業ほど副業を認めていません。副業を認めると自社の業務がおろそかになるなどの懸念が強いからです。潤沢な人材を抱える大手企業よりも、人財不足に悩まされる中小企業の方が柔軟なのかもしれません。この違いが、先行きの企業成長に大きな差を齎すでしょう。



パナソニックホールディングス(=HD)の自動車部品を手掛ける子会社、パナソニックオートモーティブシステムズ(=PAS)は従業員約6千人のエンゲージメント(=働きがい
)が大きく改善すると、執行役員の年間賞与を増やす制度を導入するそうです。働きがいが悪化すると賞与は減る仕組みで、これまでのモーレツ日本株式会社からは考えられません。


PASの狙いは、経営幹部に働きがいを強く意識させて、従業員満足度の向上や業績改善に繋げる考えです。2023年3月期から導入し、2023年夏支給予定分の賞与から適用するそうです。年間賞与は働きがい改善度合いにより、百数十万円の範囲で変わる設定です。社長を含む13人の執行役員が対象となるようですが、なぜ導入に踏み切ったのでしょう。


PASは自動車向ディスプレーなどを生産し、2022年3月期の売上高は前期比5%増の1兆671億円です。自動車業界は新技術「CASE(=つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)」への対応で変革期にあります。PASも受注した部品を生産するビジネスモデルから、ソフトウエアを活用したビジネスモデルへの転換を図る必要に迫られてます。


新規事業分野を開拓していく為には、従業員の意欲を高め、新たなアイディアを引き出して行きたいとするPASの切実な考えがある様です。働きがいの測定はアンケートに基づいて行うようですが「個人の価値が生かされているか」といった働きがいに関する約10の質問に回答し、前年度のアンケート結果と比べ改善や悪化を5段階で評価する簡単なものです。


昨今、確かにウエルビーイングやエンゲージメントなど、従業員の会社に対する働きがいを注視する動きが世界な潮流となっています。しかし、日本籍の企業は総じて低く劣っていると言われています。従業員が働きがいをもって仕事をすることは、生産性が上がるどころか新たな商品や事業を開発するなど、新しい考えやアイディアを生み出す必要十分条件です。


しかし、今般のPASの従業員の働きがいを執行役員の賞与に反映させる件については、そもそもどうすれば従業員の働きがいを高められるかという方法論が詰められていない様に受け止めます。また、測定方法にしてもアンケートによる回答方式では、少々コンサバティブの様な感じがします。エンゲージメントに焦点を充てたところは素晴らしいと思いますが。


従業員の働きがいが一番高まる時というのは、米心理学者マズローの人間の欲求5段階説ではありませんが、やはり自己の目標が明確にあってそれを実現に向けられているプロセスを感じることだと思います。PASという会社で仕事をしながら働きがいを感じるということは、そこでの仕事を通して自己実現していく機会を実感できるということになるでしょう。


最近、企業の社会での存在意義を問うパーパスが世界的に注目されています。PASとして目先のCASEを実現する目標のみならず、その先にある企業としての目的をまずは明らかにすべきだと思います。その上で、従業員個人の働く目的(=マイパーパス)を重ね合わせることが大切なのでしょう。その点も備わり、初めて真の働きがいが実現すると思います。


今日もありがとうござます!
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