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上場企業の経営陣全員交代!

皆さん、おはようございます!
地域活力を高めるために地域通貨を導入する事例が見られます。地域通貨によって域外に流出することを避け循環させることが目的です。通貨は経済の手段でありそれを手にする人が自然体で活用できることが大切です。それとともに地域に仕事を創出することが必要です。



中堅ベンチャーキャピタルのフューチャーベンチャーキャピタル(=FVC)が6月23日に開催した定時株主総会で、個人投資家の金武偉氏が提案した全取締役の交代議案が可決されてます。金氏を含む取締役候補5人が選任された一方、会社側が提案していた取締役候補(=従来の取締役)は全員否決され、経営陣全員が交代する前代未聞の珍事が起きてます。


定時総会後に開いた臨時取締役会で金氏が代表取締役に就任し、上場企業では異例の個人の「物言う株主」による経営陣の刷新となってます。定時総会では金氏とともに出前館元取締役の金子正裕氏ら4人が新たな取締役に選任されてます。同日付で金氏が代表取締役に就き
、金子氏ら4人は社外取締役に就任しています。なぜ、この様なことが起きたのでしょう。


金氏は株主提案で、運用ファンドの規模拡大や事業再生投資への進出などを進め、業績拡大を主張しています。一方、FVCの従来の経営執行部は、地方創生ファンドに力を入れており、地域の金融機関では融資を付けられないようなスタートアップ企業や第二の創業を目指す中小企業に対して、それら金融機関から拠出されたファンドを通して出資をしています。


投資対象とする企業は、どちらかというと先端技術を持つ煌びやかなスタートアップというより、地域に根差した中小企業や創業者を見出して手塩を掛けて育て上げるという形態をとっており、1社に巨額の通しをするのではなく複数社に満遍なく小口投資を行い、投資回収は株式公開(=IPO)を目指すことなく投資先企業に買い戻して貰う方法を採ってます。


それは、それでベンチャーキャピタル(=VC)としての一つの姿として、どちらかといいますと社会貢献投資(=インパクトファイナンス)の一貫のように思えます。実はこのFVCはいまはなきディベロッパーでの仕事の後に、私がM&AアドバイザリーとFVCのどちらに転職しようかと考え、M&Aを選択した経緯のある思い出に残る会社の一つなのです。


FVCの最近の業績は、2020年3月期まで7年連続で最終損益が赤字で、2021年3月期から黒字を確保するようになった状況にあります。FVCの創業者(=元住友銀行出身
)も累積する欠損の責任をとり辞任した経緯があります。その時は、一般的なVCと変わらぬ投資事業を営んでいたのですが、よく新しいビジネスモデルに転換したものと思います。


確かに、金氏が主張する通り地域には新たにビジネスを起す事業主体ばかりでなく、旧態依然とした経済の枠組みの中でもがき苦しむ中小企業も存在しており、それらの企業を事業再生すべくファンドとして投資をするという領域もあると思います。私から見れば、事業再生も新たな事業創出も必要な事業資源をどの様に組み立てるかという意味では同じ知見です。


金氏がその様な視点を持たず、ハゲタカファンドが行う財務テクニックを活用した事業再生を考えているとしたら、FVCがこれまで培ってきた知見を活かすことは余り出来ないでしょう。金氏はニューヨーク州弁護士資格を持つ、株式トレーダー出身の個人投資家です。彼の経歴からコーポレート寄りの知見を見出せないのですが、杞憂に過ぎなければ良いです。


今日もありがとうございます!
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