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副業の知見を本業に活かす!

皆さん、おはようございます!
企業財務を専門とする立場でありながら、人的資本の探求に余念がありません。それは企業の経済価値の源泉が人的資本にあるからばかりでなく、所詮、貨幣というものは道具に過ぎず、それを生かすも殺すも多分に人間の心理に依存されることに探究心を覚えるからです。



社員に本業への集中を求めてきた企業に副業解禁の動きが広がっています。情報化社会の進展により事業構造の変化が早まる中で、働き手が副業を通じて得た知見を本業にも活かすことを狙いとしているからです。これまでのお家主義のメンバーシップ型雇用に象徴される働き方は、企業への求心力を高めようとする力が働きますが、それでは存続に覚束きません。


三井住友海上保険は、2030年度にも副業や出向等で社外経験することを課長昇進の条件とする方針を固めています。主力の自動車保険の成長が頭打ちとなっており、将来の経営の担い手となる幹部候補に保険業にとどまらない広い知見が必要との判断からです。2021年に副業を解禁し、これまで20人程度が休日や就業後などに副業で働いているそうです。


これまで大手企業の多くが本業がおろそかになること等を理由に、副業解禁に消極的だった過去の経緯があります。それが社会経済情勢や働き方の慣習が変わるにつれて、金融や製造業など幅広い業種で副業を積極的に後押しする動きが広がっている様です。2018年には厚生労働省がモデル就業規則を改定し、副業を推奨する様になったことも大きいでしょう。


2021年に副業を解禁したIHIは、1週間の所定労働時間のうち半分の20時間以上をIHIで働くことを条件に、部署や職種を問わず全社員に門戸を広げたそうです。本業で労働時間が減る分、当然に給与や手当は減ります。それでも約80人が副業制度を使い、大学での産学連携アドバイザーや再生医療分野のソフトウエア開発等に携わっているそうです。


サッポロビールも2021年に全社員を対象に副業を解禁しており、約45名が業務で培った知識をもとにワイン講座の講師、社会保険労務士の資格を活かした労務関連コンサルタント等の副業に取り組んでいるそうです。社員のキャリア意識を高める効果を育むメリットもあるとのことです。それでは、働き手にとって副業はどの様なメリットがあるのでしょう。


長年、大手企業に在籍してきた働き手、特に成功体験を持つ働き手であればある程、副業にどの様なメリットがもたらされるのかが分からないと思います。それは、これまで企業が右肩上がりの成長を遂げることが出来たから、昇給や昇格といったメリットを享受できたのですが、これからの社会経済はその様な直線的因果関係による軌跡を描くことは出来ません。


そうなると、働き手側も企業に対する忠誠心だけでモチベーションを維持することが困難になります。企業側の終身雇用というメンバーシップ型雇用が崩れ出しますと、流石に働き手個々人も真剣に自分自身のキャリアプランを考えざるを得なくなるでしょう。企業の外側にある広い社会を対象として自らの知識を活かして糧を得る必要に迫られることになります。


それを実現するためのテストマーケティングとして副業制度を利用しようとするのは自然な流れだと思います。副業を行ってみれば気付くことですが、如何に今までの働き手の視野が狭くなっていることに驚愕するでしょう。思い立った時が吉日であり、それまで培ってきた知識を再構成し、一人でも糧を得られる様に試行錯誤しながら知見を育んで行くべきです。


今日もありがとうございます!
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