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数字で表せない価値!

皆さん、おはようございます!
大学時代の同級生が「池袋ジャズフェスティバル2022」に出演をするということで、先日、池袋西口公園野外劇場まで足を運びました。友人は楽しそうにトランペットを演奏していましたが、なかなかの腕前でいつの間にその様な技を磨いたのか、幸福そのものですね。



幸福度を自己評価したランキングで、日本が主要7ヶ国の中で最低に位置することは知られたことだと思います。幸福度の様な感覚的なものを数字で表すことは難しいのですが、日本政府は人々の幸福度を高め、新たな産業やサービスを生み出す上で幸福度をより科学的に測定・理解するための取り組みを始めているそうです。幸福度に着目することは大賛成です。


政府として説明責任があるから科学的根拠を重視したくなるのは分かりますが、全てを数字で表すというのはどうでしょう。確かに数字というものは、物事を数で表現するための記号や文字としては、非常に便利なのですが万能ではありません。どちらかといいますと、過去の結果や物理的に計測できるものには適しているのですが、それ以外では誤解を招きます。


例えば、会社の業績を表す財務諸表などには適していると思いますが、それでもそれは飽くまでも業績の結果であり将来の可能性を指し示すものではありません。また、過去の業績を表す財務諸表が万能かといいますと、それは会社の経営成績や財務状況をある一定の人為的な会計ルールに従っているという意味では、相対的であり、絶対的なものではありません。


その意味では、最近の会社の経営者はこの財務諸表で表される業績に捉われ過ぎており、それが経営の目的として成り変わっていることに危機感すら覚えてしまいます。時として会社の業績を見ながら、売上を高めなければならないとか、経費を削減しなければという視点に立つことも必要かもしれませんが、それらは会社や事業の進むべき道を教えてくれません。


必要なことは経営者(=必ずしも経営者に限らない)が、全人格的拠り所をもって進むべき道を明らかにすること以外に方法はありません。現代の混沌とした社会だからこそ、尚更、過去の業績数字に捉われることなく、経営者として人間の審美眼をもって自分自身が正しいと思う道を指し示す必要があります。それは、どんなに論理的に考えても答えは出ません。


事後的に論理的に説明することはあっても、事前的には経営者が持つ人間としての感性や直観に頼らざるを得ないものです。人間として培ってきた夢、志、意志といった度量の大きさに拠るものだと思います。そして、それを実現して行くべくビジョンや事業プランに落し込みながら、貴重なヒューマンリソースの選択と集中を図っていくかという過程が大切です。


残念ながら、それらプロセスを数字で表すことは出来ません。結果的に、業績として財務諸表に表されるだけです。財務諸表には、どれだけ社会に貢献しているか、どれだけ社会的に意義深い事業を行っているかなんて表す余地すらないという現実があります。業績を良くすることを経営の目的に置いてしまっては、何のための経営だか分からなくなると思います。


現代社会の風潮として、数字で表せない価値を軽視することに危惧します。この社会で起きている事実は、むしろ数字で表すことが出来ないことの方が多いというのが現実です。その事実を忘れ去ってしまっているのは、人間の視野が極端に狭くなっているか、摂理に対する奢りなのか、その両方かもしれません。人間としての感性をもっと大切にすべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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