誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

三方よし!

皆さん、おはようございます!
ギブ(=Give)&テーク(=Take)。人間を観察をしていますと、結構、テークを優先する方が多いものです。事業を起そうとする方に限っていえば、テーク型では上手く立ち上げることは出来ません。どこまでも飽くなきギブを追求してこそ事業といえるのです。



日本的経営の原点は、江戸時代に石門心学を開いた石田梅岩に遡ることができます。道徳と経済を両立させる思想は広く日本の商人に広まり、近江商人の商道徳に引継がれています。
彼らは売場をもたない行商であり、その地で愛され貢献する存在にならなければ明日の商いの道が開けません。「三方よし」はそんな厳しい事業環境の中で育まれた考え方なんです。


「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」で構成される三方よしは、事業に関わる皆が幸せになることを前提とし、文字通り商売と道徳を両立させる考えだと思います。国連による持続可能な開発目標であるSDGsにも通じる精神は、渋沢栄一が受け継いでおり「論語と算盤」に発展させた考えを基礎として、近代日本経済の礎を築いたことは周知の通りです。


その影響で、米国企業におけるテ―ラーシステムと言われる科学的管理手法とは一線を画し日本の企業は独特の家族主義経営や家族的組織を育んできたと言えるでしょう。テーラーシステムとは「工場労働者の怠業を防止する為、作業時間の研究、一日の適正な作業量、能率給、課業の設定・運営をすすめるための現場管理組織の改善」などを主な内容としてます。


いわば労働者を機械の歯車の如く管理するこの仕組みは、言葉も通じない移民者の多い米国だからこそ、それらの労働力を即戦力化すべく業務をだれでも出来るように標準化することにその必然があった訳です。日本企業も、第二次世界大戦に敗戦し、米国の考え方を無条件に採り入れた辺りから、家族主義経営の精神が薄れ今日の拝金主義的な考えに至ってます。


一方、そんな日本の家族主義経営にも功罪がなかったといえば嘘になってしまうでしょう。その精神の背景にあるのが「滅私奉公」という価値観だからです。個人的な感情を抑え込み、公に奉じることは江戸時代からの武士道に通ずる考え方であり、日本では古くからの美学とされており、現代社会においてもその精神がDNAに深く刻まれている様に思います。


この滅私奉公の精神が、戦後採り入れられたテーラーシステムと相まって、日本の企業経営における多くの理念として掲げられる「顧客第一主義」が歪曲し現代社会に広まってしまっていると言えるでしょう。それは、自分の幸福までを捨てた滅私奉公の精神でお客様の為、いや会社の為に尽くして実現するものだという精神に履き違えられてきたことにあります。


その結果として何が起きたかというと、世界の企業ではあり得ない「過労死」という問題を惹き起すに至っています。国外の辞書に「KAROUSHI」として掲載される珍しい現象です。先進国では事例がなく、日本のホワイトカラーの過労死は世界でも極めて稀と言われてます。だからと言って、政策で残業時間短縮を図るべく「働き方改革」も安直でしょう。


現在の日本人の働き方を見ていますと、働くものの人間としての尊厳がどこか捻じれている様に思えます。本来、人間は働くことから喜びや幸せを感じながら成長していくものです。自らの働く意味づけを深めながら、自らのポテンシャルを高め社会に貢献することが道理であり、それを実現する場として企業に参画したり、自ら事業を起すものだと受け止めます。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する