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これからのM&A!

皆さん、おはようございます!
コロナウイルス禍を経験し、社会はニューノーマルに向け早い速度で移り変わっている様です。これまで捉われてきた画一的な生き方から多様性を認め個人の幸せを追い求める生き方へとパラダイムシフトが起きています。私たちは新しい常識を受け入れる必要があります。



最近、とある個人事業者のM&A型事業承継を合意させることが出来ました。振り返れば協議を始めてから2年余りも時間を要しています。結果的に、売却する側にとっても、買収する側にとっても、とても最良の取り組みになったものと思います。このM&A取引のプロセスを通じて、私自身も感じることが多く、これからのM&Aが大きく変わる予感がします。


新聞を賑わす現在のM&Aを見ていますと、資金力に負かせて身の丈を超える敵対的買収(=TOB)に挑む企業が増えている様に感じますが、果たしてその様なマネーゲームがこれからも続くのでしょうか。確かにM&Aは、新たな事業を獲得する為、新たな市場を獲得する為に、自前でそれらを手にするよりも、時間を買うと言う意味で効果的だと思います。


ただし、それが買収当事者にとって自らの企業としての経済価値を上げるための短絡的な企業支配であったとしたら、将来的に振り返ったときに昔ながらのM&Aだと言われてしまうものと思います。方法論にしか過ぎないM&A自体が目的と化しており、買収し企業の経済規模さえ拡大していれば先行き安泰だと考えるのは、奢りにしかならないと受け止めます。


これからの時代、お金としてのキャピタルよりも人間としてのキャピタル(=ヒューマンキャピタル)が企業の利益の源泉となります。時代の変遷を遡れば、経済を支える重視すべきキャピタルが土地から機械などの生産設備へと移り変わり、そしてお金へと移り変わった経緯があります。これからはヒューマンキャピタルを重視する時代へと変わるのは確実です。


その意味では、資金力にものを言わせて相手先企業を膝まづかせる様なあさましいM&Aは取り引きとしては成立させることが出来ても、買収先企業を掌握することが出来ず、自らの経済価値に結びつけることに繋げられず失敗に帰すことになると思います。もっと相手先企業の経営者、従業員、そして組織文化を見定め、自らと融和させる視点が不可欠でしょう。


その様に考えると、事業上の相互補完(=シナジー)効果を目的とするだけなら、必ずしもM&Aによらずともアライアンアス(=資本業務提携など)で事が足ります。相手先企業の事情により、その企業の所有権を譲渡するということは、事業上シナジー効果を発揮することとは異なる外形的話しになります。企業を取得すれば掌握出来ると言う考えは奢りです。


これからは経済規模が企業の優勝劣敗を決める時代ではなく、社会において存在する価値が強く問われます。量より質ですね。だからこそ、企業同士が合従連衡する時は、各々の事業を木目細かく紡いでいく必要があります。勿論、中小個人事業において後継者がおらず、止むを得ず事業を売却しなければならない場合もあります。M&A自体は無くならないです。


必要なことは、買収先企業に関わる経営者、従業員をはじめとする利害関係者にとって、腹に浸み渡る取り引きであるかどうかが大切であって、その企業や事業の所有者たる株主のメリットだけでM&Aを行う時代ではないということです。事業を司っているのは生身の人間ですから、それらの方々が前向きな気持ちになれるかどうかを最優先すべきだと思います。


今日もありがとうございます!
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