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ROIC経営!

皆さん、おはようございます!
事業を行うということは、未だ目の前に見えない来るべき姿を絶えず描き続けることが不可欠となります。その意味で目先に安住し、当面の課題を解決する仕事は、仕事ではあるのですが事業を行っているとは言い難いものがあります。全身から迸るエネルギーが必要です。



最近、日本の大手企業の間で投下資本利益率(=ROIC)という財務指標を活用して、株主の利益を最大化する株主資本経営を深めている企業が増えているようです。私も20年前に大手化学メーカーに在籍した時に社内に導入し、株価を3倍に高めた実績を持っており、その意味ではROIC経営の先駆者的存在だったものと当時を振り返り懐かしく思います。


ただし、日本でROIC経営が定着しつつありますが、欧米のそれと比較しますと周回遅れ位の隔たりがあるのも事実です。日本企業のROICはせいぜい8~10%位が関の山ですが、欧米のROICは20%前後があたり前となっています。それ以上に、欧米企業は自らの存在意義(=パーパス)を明確にした上で、ROICを追求する強みがあると言えます。


ROICは、Return on Invested Capitalの略であり、稼いだ利益を事業に使用する投下資本で割って求めることができ、ROICを高めていくには分母である投下資本の圧縮か、分子である事業利益を増やす必要があります。日本の企業は、投下資本を圧縮する形で、非重点分野事業をM&Aにより売却することに傾注してると言えます。


これに対して、欧米企業はROICを高めるために自ら定義したパーパスに従って、分子の事業利益を増やすべく重点分野事業をM&Aにより積極的に買収しに行っている違いがあります。それも単に戦略マーケットをグローバルに展開すべく安易に水平展開型のM&Aを行うことに留まらず、事業再構築か新たな事業を創出する垂直展開型のM&Aを行ってます。


日本企業と欧米企業の歴然とした違いはなにか。それは、社会との関わりの中で企業としての明確な定義付けを行っているのか否かという、経営としての成熟度に尽きると受け止めています。企業として明確なポリシーを持っているかどうかということが、同じROIC経営を採るにしても、牽いてはM&Aを行うにしても全く異なる結果が表れることになります。


それは、やはり日本企業の企業統治、人財戦略、雇用慣行の違いにより生じているものと受け止めざるを得ません。日本では未だに純血主義の生え抜きサラリーマン社長があたり前であることに起因していると思います。社長はもっと、自身の生き様に魂を込めて事業の明日を切り開くべきであり、前任社長の経営方針を踏襲していては道が閉ざされるばかりです。


また、悪戯にコーポレートファイナンスの技法を模倣するのでなく、経営に魂が篭っていなければ百害あって一利なし、会社をおかしくしてしまうだけです。その点、現在の欧米企業の方が日本の企業よりも、哲学を持って経営を執行しているのではないでしょうか。欧米人は、もちろん私たち日本人とは異なるドライな側面が強いのですが考える力を持ってます。


日本には歴史が培ってきた独自の自然(じねん)という感性や思想を持っているのですが、
敗戦により魂を抜かれてしまった様に、欧米を模倣する文化に成り下がってしまっていることに危惧します。このことは経営の問題と割り切ることなく、私たち全ての方々が意識を新たにすべきでしょう。その上で初めてROIC経営も地に足の着いた手段となるでしょう。


今日もありがとうございます!
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