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NTT東日本のビジネスモデル転換!

皆さん、おはようございます!
昨日はコーポレートファイナンスの本を4冊、最近の新しい潮流をキャッチアップすべく拾い読みしてみました。これまで財務情報の有用性が広く一般的と考えられてきましたが、今後はビジネスモデルや無形資源などの非財務情報がより注視されることに合点がいきます。



NTT東日本は、2025年度までに全従業員6万人の半数にあたる約3万人を新規事業に充てることを発表しています。固定電話や光回線など既存事業の成長が頭打ちとなるなか、自治体向けのIT(=情報技術)人材の派遣やドローン(=小型無線機)といった成長領域に経営資源を集中し構造改革を加速する計画です。現在、新規事業に携わるのは約2万人。


既存事業に携わる約4万人のうち約1万人を新規事業に配置転換し、新規事業の体制を5割増やす計画です。NTT東日本が新規事業として注力するのは、ゲーム対戦競技「eスポーツ」関連や自治体向けのIT人材の派遣、そしてインフラ点検や農業用ドローン提供などです。付帯して発生するネットワーク構築サービス需要なども新たな商機と見込んでます。


NTT東日本では、2025年度を目処に新規事業が売上高に占める比率を現状の3割から5割まで引き上げる計画を掲げています。背景には既存事業の成長性の鈍化が挙げられます。同社の2020年度末の固定電話契約数は794万件でピークの2000年度末から7割減少しています。ビジネスモデルの転換に伴って人員など経営資源の配分を見直します。


一方、電話設備など既存の現場作業は人工知能(=AI)の活用などで、稼働時間を2023年度までに半減させる方針であり、約560万本の電柱の点検業務にはカメラやセンサーを設置した専用車両を活用して現場に人員を派遣する回数をすでに半分程度に減らしています。個人向コールセンター業務では全体の3分の1を在宅勤務とし効率化を加速してます。


元々、NTT東日本の前身は日本電電公社であったと思います。そんな歴史を持つNTT東日本なのですが、よくぞここまでの大胆なビジネスモデルの転換に踏み切るものかと些かの驚きが隠せません。また、既に新規事業の比重が人員配置ベースで3割強となっているとは知りませんでした。巷の大手企業より余程ドラスティックに事業再構築に手を付けてます。


私も6年前に、仕事の関係でNTT東日本の新規事業セクションに足繁くお伺いさせて頂いていました。学校教育のICT化で専用タブレットを導入すべく、学校施設内通信環境の整備とNTT東日本が持つ教育様OSについてご相談をさせて頂いています。その時の印象は未だ公社時代の雰囲気が蔓延っており、どちらかと言うとお役所へ訪れた感じがしました。


確かに固定電話を主業とするNTT東日本では、その契約件数が7割も減少していれば、企業の存続を賭けて新規事業を成長させていかなければならないでしょう。しかし、それはNTT東日本という個社の話しで、NTT東日本グループ全体でみればNTTドコモ、NTTデータ通信、NTTファシリティーズ、NTT都市開発を初めとする企業群を有してます。


グループ力を持ってすれば、これから到来するであろうスマートシティ構想などを実現していくことも不可能ではありません。その際にはグループ再編という手段も採れるだろうに、先んじて個社の事業転換を果たそうとする姿に堅実な事業家としての姿勢が窺い知れます。ビジネスモデル転換は、バックキャスティングとフォアキャスティングの両方が必要です。


今日もありがとうございます!
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